PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA 24mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO vol.1 vol.2
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
標準ズームの広角端としてカバーされることの多い24mm。わざわざ単焦点レンズをそろえなくても、と思われるかもしれませんが決してそうではありません。コンパクトな大きさはもちろんのこと、F値の明るさやシンプルなレンズ構成ならではの光学性能の高さなど、ズームレンズでは得られない魅力を有しているのが、単焦点レンズなのです。本レンズもそんな魅力を存分に楽しめる一本。F1.8という明るさに加え、最短撮影距離18cmまで寄れるマクロ撮影が可能なので、広角24mmでありながら大きなボケが得られます。また、単焦点レンズならではのシャープ感も十分に感じられますし、なにより逆光などのシチュエーションでのヌケの良さは抜群です。こういったレンズを潔く一本だけカメラに装着して撮り歩く、というのも大変面白いものです。
( Photography & Text : T.Nakanishi )
かつて繁栄した炭坑の跡地に残る建築物です。風化しつつあるコンクリートの質感をハイライトからシャドウまで抜群のキレ味で描いてくれました。輝度差のあるシチュエーションでの撮影なのですが、とてもリアリティのある描写ですよね。多少歪曲が見られますが、問題になるレベルではありません。
色乗り、メタリックな材質の質感描写も好印象です。エンブレムの細かない傷までしっかりと描き出しており、解像力の高さを感じます。一方、雪の質感はどうでしょう。一粒一粒は確認出来ないにしても、雪の冷たさは伝わるのではないでしょうか。
逆光に対する強さは流石の単焦点レンズといえます。空に写っているのは、寒気が入った時に見られるハロという珍しい現象です。真逆光での撮影なので、その色彩を表現するのはかなり難しいのですが、見事に描いてくれました。
広角マクロとしての使い方が非常に楽しい本レンズ。レンズフードが被写体にぶつかってしまうほどに近づけば、テーブル上のカトラリーがオブジェのように見えてきます。ボケ、トーン、ピントピークのシャープ感と、いずれも申し分ないですよね。こういった光量の少ない室内でも問題なく撮影出来てしまう明るいレンズですから、屋内外問わず撮影のチャンスを広げてくれる、頼もしい相棒となってくれることでしょう。
( 2014.03.20 )
伸びやかにつかえる24mmという広角ながら、ぐぐっと寄れるマクロレンズ。思い切り寄った広角の画は、独特のダイナミックさが気持ち良いですね。
寄れればこそ、つけておきたいのがプロテクター。お忘れなく。