PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM | Contemporary
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
本レンズは、Contemporaryラインの第一弾としてリリースされた、APS-C一眼レフカメラ用の大口径標準ズームレンズとなります。標準ズームに求められる資質は、画質、携帯性、取り回しの良さなどのバランスが取れていること。シグマには同焦点距離(35mmフルサイズ換算25.5-105mm相当の画角)の旧モデルが存在しましたが、今回、「最高のコンパクトネス」を標榜するラインとして、光学系、デザインともにリニューアル。実際、シャープネス、ボケ、クリアさ全てにおいて旧モデルを上回り、標準ズームとしての資質をより高い次元で実現していると感じました。また、重量にして約70グラム、長さにして約7mmのダウンサイジングがなされているところも見逃せませんね。では、早速作例をご覧いただきましょう。
( Photography : M.Ito / Text : Taka )
テレ端が105mm相当(35mmフルサイズ換算)まであるので、猫さんを邪魔することなくこの大きさで写し取ることが出来ました。また、手振れ補正もよく効いてくれるので開放がF4でもブレは皆無、おひげまでシャープに描かれていますね。背景のボケ方も良い塩梅ではないでしょうか。
こちらもテレ端で。気になったものをすぐに引き寄せて撮れるのは、ズームレンズの素直な喜びです。一般的な標準ズームより少しテレ端が長い、この「少し」が現場で利いてくるのですよね。写り込みの多い窓の描写もクリアでよい具合です。
被写体を大きく捉えていますが、こちらはワイド端を使っています。繊維の一本一本までを繊細に描くシャープネスが、リアリティを生んでいますね。同じ被写体を同じような切り取り方で写しても、焦点距離によって画は随分と変わります。このあたりもズームレンズだから手軽に試せる面白みと言えるでしょうか。
このうえマクロ撮影もこなしてしまうのですから・・・便利は正義ですね。最短撮影距離は22cmと、目の前のテーブルを撮影するのもお手の物。テレ端開放で、柔らかな表現を狙ってみました。テレ側で被写体にぐっと近づいてみれば、ズームレンズでも大きなボケを得ることができます。
本レンズの魅力は標準ズーム+αという痒い所に手が届く焦点距離とある程度のマクロ撮影もこなしてしまう画角の自由さ、そして扱いやすいサイズにあります。常用レンズを選ぶときのポイントは人によって異なりますが、せっかくコンパクトなAPS-Cボディに合わせるならば、携帯性を損なわずに幅広い撮影を可能にするこのようなレンズこそが、最適解のひとつと言えるのではないでしょうか。テレ端の開放値は1段暗くはなりますが、高感度に強い現行ボディで使うことを考えれば大きな問題にはなりません。ズームレンズならではの歪曲や周辺の甘さもあるにせよ、コンパクトな筐体にこの性能を収め、手ぶれ補正も備えるというスペックは、写真を撮る道具として大変に魅力的な選択肢です。ぜひ、使い倒してください。何を写すか、どう写すか。1本で済ませることのできる便利で優秀なズームレンズは、撮り手を被写体に集中させてくれるはずです。
( 2014.02.26 )
25mm近辺スタートというのもおいしいAPS-C専用標準ズーム。これ一本あればレンズ交換の必要もないかも?
広角側が広めなので薄枠タイプをお勧めします。