PHOTO YODOBASHI
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TAMRON 16-300mm F3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO Model B016N
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
APS-Cサイズセンサー用のオールマイティ高倍率レンズ「TAMRON 16-300mmF/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO」。今回はニコンFマウント用 (Model B016N)のレビューをお届けします。純正レンズも含めて、高倍率ズームのラインナップが多くなった印象のある昨今ですが、このレンズの特徴はなんといっても広角端16mmスタートということでしょう。これまでの高倍率ズームといえば、18mmスタートのレンズが多かったのですが、2mm広がったことで広角側でよりスケール感のある画が狙えるようになりました。ズーム比率は18.8倍。35mm判換算で24.8mm~465mm相当の画角をカバーするというのですから、なんとも恐れ入ります。もちろんその性能にも抜かりはなく、非球面レンズや超高屈折率ガラスなどを採用することで各収差をうまく補正し、高倍率ズームとは思えない高画質を得ている印象です。タムロンレンズには定番となった感のある、超音波モーター「PZD」や手ブレ補正「VC」、簡易防滴などもしっかりと搭載し、便利でちゃんと撮れる、優等生レンズとして仕上がっています。たっぷりの作例でその実力のほどを確かめていきましょう。
( Photography & Text : T.Nakanishi )
テレ端開放の画からご覧いただきましょう。雑然と重なり合う草木ではありましたが、アウトフォーカス部分がほどよくボケてくれ、まるで絵画のような一枚になりました。
街でスナップをしていてふと空を見上げると、おおきな暈がビルの間から見えました。こんな時は、ズーム域をワイド側へ。周辺もビルまで写し込んでくれたことで、スケール感のある画に仕上がりました。
簡易防滴というのもいいですね。雨の日って撮影には億劫になってしまうものですが、案外フォトジェニックなんですよね。雨なんかにめげず、どんどん撮りましょう。
逆光のシチュエーションはレンズの根源的な性能が出てしまうものですが、全く問題ありません。フレアやゴーストの類は見受けられず、非常にヌケの良い画を紡いでくれます。
右へ左へと動きながらライブ演奏するサックス奏者をテレ端で追いかけました。「PZD」の効果でしょう。速くて正確なフォーカスで、食いつきも非常に良い印象です。
そっと我が子をシューティング。カメラを意識させず、自然な姿を撮ってあげるのって素敵ですよ。
テレ端450mmですから、その圧縮効果は抜群。はるか遠くにある被写体をグイッと引き寄せてくれます。いいな、と思ったその瞬間がシャッターチャンスですから、「届かない!」という思いをせずに済むこんなレンズが便利です。
ワイド端16mmを得たことで、より使い出のあるレンズとなりました。高倍率ズームレンズに我々ユーザーが求めるものって、やはり便利なこと。撮影に出かける時、できることなら一本で済ませたいと思うのが心情ですよね。そんな要求に応えてくれるのが本レンズです。遠くのものを引き寄せられて、広く撮ることもできて、時には寄ることも可能。おおよそ私達が望むシーンを、それほど大きくないこのレンズが網羅してくれます。もちろん、その画質に関しては作例をご覧いただいたとおり、確かなもの。最新のレンズテクノロジー満載ですから、十二分に満足出来るものと思います。便利で高画質なズームレンズをお探しの皆さん、一度お試しください。
( 2015.07.15 )
撥水・防汚機能を兼ね備えた超低反射率の保護フィルターです。高価なレンズ、大切に保護しましょう。