旅にも最適。とにかく全てがちょうど良いのです。TAMRON 20-40mm F/2.8 Di III VXD Model A062
スナップの王道28mm、35mmをカバー。そこからさらに引いて踏み込んで、気ままな旅こそのびのびと。
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2023年もいよいよ年の瀬に近づいてきましたが、新たな特集記事を3週に渡りお届けします。題して、TAMRON特集「タムロンのズームレンズ」です。ズームレンズと言えばタムロン。と我々写真好きの間では言わずと知れた圧倒的な存在感を放っているレンズメーカーですが、ここ2~3年の間に年5~6本のペースで新製品を意欲的にリリースしています(マウント違いも含め)。しかも何とそのすべてがズームレンズではありませんか。もちろん同社のラインアップには単焦点レンズもありますが、怒涛のズームレンズの拡充ぶりには目を見張るばかりです。
時代を遡れば、とりわけ高倍率ズームレンズにおいて先駆的な存在として、並々ならぬインパクトを世に与えてきたことをご記憶されている方も多いことでしょう。その中でも印象深いのは92年発売の「AF 28-200mm F/3.8-5.6 Aspherical(71D)」あたりでしょうか。当時の高倍率ズームレンズといえば誰もが35-135mmを思い浮かべるであろうレンジで、200mmまで届くものがごく僅かに存在していた頃。そんな相場観に一石を投じたのが、広角ゾーンにぐいっと踏み込んだ28-200mmでした。標準と望遠ズームの守備範囲をカバーしながら、全長10cmにも満たないコンパクトな鏡胴に仕立て上げられ、軽くて持ち歩きやすい。まさに画期的な一本として瞬く間に話題に。そしてまた21世紀を目前にし、超望遠までもカバーしてしまう「AF 28-300mm F/3.5-6.3 LD Aspherical IF MACRO(185D)」の登場で世間をアッと言わせました。いよいよフルサイズ向けのズーム倍率が10倍という節目を越えてきたことで、タムロンの“超”高倍率ズームレンズがユーザーの間により深く刻まれることとなったのです。
そんな確固たるバックボーンを有し、今まさにズームレンズに選択と集中のかじを切っているようにも見える同社。フォトヨドバシ(PY)編集会議においてここ数年話題に上がっていたのは、タムロンのズームレンズってよく写るよね/ズーム域によって描写傾向が変わらない/単焦点レンズと変わらないかも/相変わらずボケが柔らかい/AFぜんぜんストレスないよね。という内容でした。それならば、ここ数年でレビューしたレンズを、一斉に改めて撮ってみようということになりました。ピックアップしたのは5本。それらのポテンシャルの高さを今一度確かめるべく「どんな表現が楽しめるのか?」という視点で、各自テーマを決めて新たな気持ちでじっくりと撮ることにしました。ごそっとまとめて撮影カットを見比べ、見渡してみると、何かが見えてくるかも知れません、多分。そこで気づいたり気になったことをネタに、あわよくばレンズ開発担当の方へ直にお話を伺えたらなと目論んでおります。
タムロンのズームレンズの魅力を伝える特集記事をお届けします。低倍率から高倍率まで安定した描写性能をもたらし、単焦点レンズに迫るその表現力とヌケの良さを今一度確かめてください。また、その秘訣を探るべく開発者へのインタビューも!
スナップの王道28mm、35mmをカバー。そこからさらに引いて踏み込んで、気ままな旅こそのびのびと。
取り回しの良い標準ズームだからこそ、日常の「あ、良いな」を捉えたくなる。心躍る繊細な写り。
コッテリとした色乗り、黒の締まりの良さ。まるで映画のワンシーンが如く、趣きのある画をしたためる。
撮る目的がはっきりしている超望遠ズームとはいえ、標準域まで視野が広がると欲張りたくなる。
旅は身軽に行きたいし、いい写真を残したい。表現力のある高倍率ズームがあればノープロブレム。
TAMRON特集の最終回は、開発者へのインタビューをさせていただきました。バラエティ豊かな焦点域のズームレンズが生まれてくる背景や、どのレンズにも感じる“タムロンらしい写り”の秘訣はどこにあるのか等々、直に伺ってきました。