PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
NOKTON 50mm F1.2 Aspherical SE
F1.2の「標準レンズ」NewNOKTON 40mm F1.2 Aspherical SE
絶妙な画角を持つF1.2NewNOKTON 35mm F1.2 Aspherical SE
使いやすいF1.2広角NewNOKTON 60mm F0.95
驚愕の明るさを持つ60mmNewNOKTON 35mm F1.2 Aspherical III VM
Mマウントの35mmF1.2NewNOKTON 21mm F1.4 Aspherical VM
Mマウントの明るい21mmNew
コシナ
使い手の心に響く「フィール」を大事にするレンズメーカー
高い光学性能はもちろん、質感や、手で操作するという「フィール」の部分も極めて大事にしながらレンズを作っているメーカーがコシナです。この「フィール」については写りに関しても同様で、ただ単に高性能を目指すだけでなく、「写りの味わい」を現代に布教する宣教師とも言える、独自の立ち位置を確立しています。それだけに硝材の品質や金属加工の精度には非常なこだわりを持っており、それが使い手の五感に響くのでしょう。コシナのレンズからクラッシクレンズの沼にハマった人も多いでしょうし、逆にクラシックレンズからコシナに行き着いた人も少なからずいる筈。どちらにしても、レンズにうるさいユーザー黙らせるレンズ作り、それがコシナの真骨頂です。
NOKTON 50mm F1.2 Aspherical SE
NOKTON 40mm F1.2 Aspherical SE
NOKTON 35mm F1.2 Aspherical SE
NOKTON 60mm F0.95
NOKTON 35mm F1.2 Aspherical III VM
NOKTON 21mm F1.4 Aspherical VM
6本のノクトン
月イチで出てくる、NOKTON 21mm〜60mm
前から結構なペースで新製品を出すレンズメーカーだとは感じていました。コシナが2020年のCP+で何を見せてくれる筈だったのか、改めて整理してみると、2020年になってからだけでも、新製品はこれだけあります。
- NOKTON 21mm F1.4 Aspherical VM(2月27日発売)
- NOKTON 35mm F1.2 Aspherical III VM(3月26日発売)
- NOKTON 60mm F0.95(4月24発売)
- NOKTON 35mm F1.2 Aspherical SE(5月27日発売)
- NOKTON 40mm F1.2 Aspherical SE(6月24日発売)
- NOKTON 50mm F1.2 Aspherical SE(7月発売予定)
なんてことでしょう、このNOKTON新製品攻勢は。マウントの違いこそあれ、21mmから60mmまで細かく刻んで、きれいに1ヶ月に1本ずつ。簡単に想像がつくと思いますが、これって大変なことですよ。だって、コシナのレンズ開発部隊がどのぐらいの陣容なのか分かりませんが、レンズの開発なんてそんなに短期間にできるものではないです。つまりこれら全部、同時進行で開発が進んできた(進んでいる)ということ。開発だけじゃありません。それらを商品として世に出し、市場に流通させ、消費者の手元に届けるまでのすべての準備が同時進行なわけです。そして、ここがいちばん大事なところですが、新製品のどれもがピカイチの性能を持っている。これを実現させているのは一体何でしょう。熱意。信念。それ以外に何かうまい仕掛けがあるなら、是非とも教えてもらいたいものです。
ポイント
6本のノクトンが月イチで登場
まとめると
つくづく「やりたいことを、やりたいように」やっているメーカーだと思います。ご存知の通り、コシナ(フォクトレンダー)のレンズはすべてシンプル。現代の写真用レンズというものの標準形に照らし合わせれば、「超」をつけてもまだ足りないほどのシンプルさです。これが何を意味しているかと言えば、レンズとしての根幹を為す性能だけで勝負しているということ。それがコシナがフォクトレンダーブランドを手に入れた1999年以来、まったくブレていない。ギミックなし。「これ便利でしょ?」みたいにすり寄ってくる機能もなし。本当に尊敬します。でも考えてみれば、写真を撮るという行為は本来、とてもシンプルなものだった筈。絞りを決める。シャッタースピードを決める。構図を考える。ピントを合わせる。シャッターボタンを押す。やることは多いかもしれないけど、それぞれの関係性はとても明快。すべて撮影者が決める。撮影者に委ねられる領域が多い分、それは撮影の喜びにダイレクトにつながる。そもそも被写体を前にして「これをどう撮りたいか」が自分の中で明確になっていれば、絞りもシャッタースピードも構図もピントも、自ずと決まってくるもの。「自分はどうしたいのか」。そこへ立ち返らせてくれるコシナのレンズは、現代において本当に貴重な存在です。かつては「クラシックレンズっぽい」というのが特徴だったかもしれません。でも今となってはそういう感覚はすでになく、ただ純粋に「コシナらしい」と思うのみです。