PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
OPPO Reno7 A
- 3眼
- AIシーン強化
- 大容量バッテリー
シリーズ歴代最薄ボディに大容量バッテリーを搭載。コンパクトながら実力派なReno Aシリーズがより洗練され登場しました。薄さ約7.6mm、軽さはなんと約175g。搭載するバッテリーは4400mAhと、軽くて長持ちな一台です。スマートフォンがパソコン並のパワー(および価格)に進化していくなかで、程よい価格に収めてくれているのが何より嬉しいですよね。先代 Reno5 A に比べるとメインカメラの画素数は減らし、動画も4K対応がなくなるなど、少し割り切った印象。実際どんなバランスで仕上がっているのか、撮影しながら確かめてみましょう。
アウトカメラ | 超広角 | 800万画素 / F2.2 | ||
広角(メイン) |
4800万画素 / F1.7 |
|||
マクロ | 200万画素 / F2.4 | |||
インカメラ | 1600万画素 / F2.4 | |||
ディスプレイ | 6.4インチ / 有機EL |
Photo Gallery
広角カメラ
メインカメラの画素数は4800万画素ありますが、通常は4画素から1ピクセルの画を紡ぐことで1200万画素の写真が撮影されます。建物のラインを精細に、キッチリ描いてくれました。これだけ写れば解像力は十分。空のグラデーションも滑らかで、気持ちの良い写りですね。
少し近い距離に目線を移してみます。細かな枝や、一枚一枚の葉、その葉脈まで識別できる解像力を持っているのですが、シャープというよりは柔らかな印象。ナチュラルな色再現は目で見た感覚に近く、光の強い部分もよく粘っています。
被写体に寄ればピントピークの被写体が強調されて印象的な仕上がりに。花びらの色合いも良好ですね。この小さなレンズにボケ味までを求めるのは酷というものでしょう。
設定ひとつで4800万画素での撮影にスイッチできます。データサイズは大きくなりますが、ディテールを可能な限り残しておきたい場面では重宝しますね。それぞれで撮って、画面中央すこし右の樹木を拡大してみましょう。
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はじめのカットが標準1200万画素での撮影、後のカットが4800万画素での撮影です。その違いは一目瞭然ですよね。この他に「超高解像度」撮影機能もあるのですが、基本的には48MPモードのほうが簡単ですし、クオリティ良く仕上げやすいと感じます。
カメラのスペックだけではわからないのがソフトウェアの進化。「AIシーン強化」が一層優秀になっているということで、積極的に使ってみました。このシーンでは空の面積が多い場面だと判定され、空の青さがクリアに表現されるようにホワイトバランス等を調整してくれたようです。
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はじめのカットがAIオフでの撮影、後のカットがAIオンでの撮影です。カメラを構えてシーン判定された場合のみ画面内に表示が出るので、この機能をオンにしておいたからといって「極端に補正されてしまう」という感覚はありません。仕上がりにも違和感がなく、常時オンでもいいのかなと感じました。
前モデル同様、高感度撮影は優秀です。ISO 1456という数値ながらノイズは目立たず、昼間のような感覚でシャッターを切ることができました。脇を閉めて息を止めてシャッターを切る、なんていう時代は昔のことなのですね。物理シャッターだけでなく、画面にタッチするだけで撮影できることのメリットも感じます。
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「夜景」モードで撮影すれば、シャドー部は明るく、ハイライト部は抑えて、夜の光景をはっきりと撮影できます。照明で光が飽和してしまっている部分などに注目すると、違いがよくわかると思います。
ただしHDR的な画になってしまうことは否めず、夜らしく撮るなら通常の撮影モードが良いかもしれません。この辺りは撮影者の好みと、撮影用途によるでしょう。
ちょっと面白いのがネオンポートレートモード。背景を、まるで夜景の中で撮ったように処理してくれます。
超広角カメラ
ぐっと広く撮影できる超広角カメラ。トーンの粗さなどは否めませんが、メインカメラで収まらない光景を写せるということが重要なポイントです。超広角ならではの伸びやかな写りは、後から画像処理できるものではありません。
マクロカメラ
マクロカメラは200万画素。最短距離は4cmほどということなので、極端な接写はできず、メインカメラで撮影してクロップしてもいいのかもと思わなくもありません。あくまでオマケ的に考えておくと良いでしょう。
Top Feature
何をするのかわからないスイッチをオンにするのは熟練の撮影者には気持ち悪いかもしれませんが、「AIシーン強化」が結構よくできています。それほど極端なことはしませんし、適用されているかどうかがわかりますし、「ふだん撮影した後に、ちょっとだけ自分でやる画像処理を最初からやってくれる」と思えば、素直にオンにしておくのが楽しい使い方だと思うのです。
User Interface
ガイドラインや水準器を出した状態の画面です。横位置では画面左にあるアイコンから各種設定を行えます。この画面はAIシーン強化がオンになって「建物」というシーンとして認識されています。ファインダー右端の「1X」はメインカメラ等倍の意味。これを基本として、超広角やデジタルズームにスイッチできます。
その他を選ぶと、標準メニューでは選べない各種撮影モードが選べます。スチル撮影では超高解像度、マクロ、エキスパートあたりが試してみる機能となるでしょう。
写真モードのとき(縦位置では)画面右上にある設定ボタンを押した画面です。メインカメラ使用時、高解像度で撮影するには 48MP をオンにします。
エキスパートモードではホワイトバランスなどを細かく設定できます。撮影テンポは落ちてしまいますが、じっくり撮るなら面白いですね。
伸び伸びと撮ろう
「良い落とし所」というのが OPPO Reno7 A の魅力だと思います。ハードウェアだけを見ればグレードアップしたわけではないのですが、ソフトウェアの進化もあるのか画の印象は良好。メインカメラの性能は十分にありますし、必要に応じて高解像度や超広角カメラを使うことで多様なシーンをカバーできます。傾向としては黒も白も潰れないような画作りで、スマートフォン的には正解でしょう。カメラ性能とは違いますが、見逃せないのは大きなバッテリー容量。今回、日々持ち歩いて気になるシーンに出会った時だけ撮影する、というような使い方をしたのですが、2週間程度充電せずに使うことができました。日常のスマートフォンとして使っていても相当に持ちそうです。スマートフォンのプライスはカメラ性能だけで測れるものではありませんが、総合的なバランスの良さ「そう、このぐらいでいいんだよ」を体現してくれる存在ではないでしょうか。