PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Samsung Galaxy S25 Ultra
4つのカメラを持つ「Galaxy S25 Ultra」のシューティングレポートをお届けします。前モデル「Galaxy S24 Ultra」からの気になる変更点は、超広角カメラの画素数が約1200万画素から約5000万画素にアップしたこと。これにより超広角から望遠まで高画素撮影が可能になりました。各カメラの焦点距離は35mm判換算13mm、23mm、69mm、115mm相当。そしてAIによるスペースズームで、1倍(1×)から100倍(100×)までシームレスに拡大でき、35mm判換算2300mm相当の超望遠までカバーします。写りはAI搭載のProVisual engineにより、色彩とディテールを大事にした描写を実現したとのこと。また「Expert RAW」アプリをダウンロードすることで、撮影時に被写界深度、コントラスト、色調などを細かく設定でき、イメージ通りの写真に仕上げることもできます。動画は8Kが可能になり、プロ向けのLog撮影機能やオーディオ消しゴムなど興味深い機能が新たに追加されていますが、今回のレビューは静止画性能に徹したいと思います。
まずは4つのカメラの描写をご覧いただきましょう。一番手は画素数が約5000万画素になった超広角カメラ。手前の植栽から奥のビルの意匠まで緻密に描かれています。画素数がアップしたことで、広大な風景を細部まで鮮明に描き出してくれます(5000万画素の原寸画像を用意しました画像をクリックしてご覧ください)。
次に35mm判換算23mm相当の広角カメラ。本カメラは設定を変えることで約2億画素の撮影が可能になります。拡大すると小さな石まで数えられるほど鮮明に写っているではありませんか。「ここまで写るのか」と驚くほど次元の違う写りを体験することができます(2億画素の原寸画像を用意しました画像をクリックしてご覧ください)。
35mm判換算115mm相当の望遠カメラ。高い解像力で子ども達の様子がリアルに描かれています。一つ上の2億画素の作例と同じ位置から、望遠カメラを2倍にズームして230mm相当で撮影。ズームしても緻密な描写は変わらない印象です。
最後は約1000万画素の望遠カメラ。35mm判換算69mm相当は日常シーンを切り取るには使い勝手のいい画角。トーンの連なりが美しく、僅かな光の違いがリアルに写し取られています。他のカメラより少し柔らかな写りになる印象です。このカメラを使いたい場合は3×を選んでください。
「食事」モードで撮影。外光と室内光がミックスされた条件ですが、色の濁りもなく料理を鮮やかに撮ることができました。実際はシャドー部にはアンバー、ハイライトはブルーがかかっており、後処理のこと考えるとかなり面倒な条件でしたが、ここまで自然にまとめるとはAI様様です。
「ポートレート」モードは背景のボケ具合を液晶で確認しながら調整することができます。画像処理で背景をぼかしていると思いますが、ピントピークからボケへのつながりが絶妙ですね。この美しいボケ味であれば、テーブルフォトで使っても面白いのではないでしょうか。
超広角カメラの画素数がアップしたことで、マクロ撮影時も細部まで緻密に描いています。
AIスペースズームで1×からシームレスに100×まで拡大できます。動きはスムーズでピンチアウトするとあっという間に変更されます。急に拡大すると被写体を見失ってしまいそうですが、20×を越えると小さな画面が現れ撮影範囲を示してくれるので、素早く被写体を捉えることができました。上の作例は1×で撮影。青枠は30×、赤枠は100×の範囲を示しています。
30×、35mm判換算690mm相当で撮影。スマートフォンでズーム撮影したとは思えないほど解像力を感じる描写ですね。
100×、35mm判換算2300mm相当。流石にキリッとシャープにとは言えませんが(笑)、ここまで寄れる可能性を秘めていると思えば、ありがたい機能ではないでしょか。実は撮影時驚いたことが。手持ちで気軽に撮影していたのですが、ほぼブレていませんでした。どんなマジックが使われているのでしょうか。
ここまでの作例はスマートフォン任せで撮ってきましたが、最後は撮影者が自由にカメラ設定を変えることができる「Expert RAW」モードで撮影。特に面白い機能が被写界深度をコントロールできる仮想絞り。上の作例は絞り値F1.4で被写界深度を浅くしています。あまりにも自然なボケ味なので、大口径単焦点で撮影したと言われても納得しそうですね。ポールについた水滴もゾクッとするほどリアルです。
自然なボケ味を持つスマートフォン
どのような条件下でも、被写体を目で見た印象通りに再現する写りでした。最新のAIが、人にどう見えているのかを判断し、絶妙な補正を加えているからでしょうか。また1×から100×までスムーズに拡大できるAIスペースズームは、ノイズがうまく抑えられ最大倍率でも十分実用範囲ではと感じました。球場などでスマートフォンを構えている人を見ると「小さすぎて、誰かわからへんやろ」とツッコミたくなりますが、「Galaxy S25 Ultra」であれば十分好きな選手をアップで見られそうですね。カメラ任せで十分満足できる本モデルですが、さらに面白い機能が追加できます。ダウンロードで得られる「Expert RAW」アプリでカメラ設定を細かく変更でき、撮影者の好みに応じた味付けが可能になります。特に気に入った機能が仮想絞り。F1.4からF16の範囲で絞り値がセレクトでき、被写界深度をコントロールできます。そのボケ具合が秀逸で、まるで大口径単焦点で撮ったかのような印象を受けました。スマートフォンでここまで自然なボケ味が出せるようになったのですね。普段はカメラ任せ、素敵なシーンに出会ったらじっくり考えて撮影。スマートフォンとデジタルカメラの良さを併せ持った本モデル。使い込めば使い込むほど、写真好きにはたまらない1台になると確信しました。
( 2025.03.25 )
カラー4色×ストレージ容量3種類。12種類のバリエーションから好みの1台が選べます。こちらはシルバーブルー、256GB。
ホワイトシルバー、256GB。
グレー、512GB。
ブラック、1TB。気合の入ったストレージ容量ですね。