PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Samsung Galaxy S22 Ultra
- 4眼
- 1億800万画素
- ガラス製光学レンズ
- 光学10倍ズーム
スマートフォンで世界ナンバーワンのシェア(2021年)を誇るサムスン。フラッグシップモデルとなるGalaxy S22 Ultraは、SoCにSnapdragon 8 Gen 1を搭載。Sシリーズ初のSペンを内蔵し、6.8インチのディスプレイはDynamic AMOLED(有機EL)パネルを採用し、120Hzで駆動。画面内指紋認証も搭載しています。もちろんIP68の防水防塵性能にも対応し、バッテリーは5000mAhの大容量。ハイエンドスマートフォンとして全方位に最高レベルのスペックを備えたバランスのよいモデルとなっています。もちろんカメラ性能もハイエンド。インカメラは40MP、アウトカメラは12MPの超広角からメインとなる108MPの広角、そして10MPの望遠は光学3倍ズームとペリスコープ(屈曲光学式)を採用した光学10倍ズームの4眼仕様とし、メインカメラの108MPセンサーは、低照度下で9画素を1画素とし、12MPの画像が得られる高感度モードにも対応。レンズにはスーパークリアガラス、広角レンズにはスーパークリアレンズを採用し、超低反射ナノコーティングによりフレアを抑えた設計となるなど、弱点が見当たらないあたりはさすがといったところです。
アウトカメラ | 超広角(画角 120°) | 1200万画素(1/2.55インチ) / F2.2 | |
広角(画角 85°) |
10800万画素(1/1.33インチ)/ F1.8 |
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3倍望遠ズーム(画角 36°) | 1000万画素(1/3.52インチ) / 光学ズーム(1〜3倍) / F2.4 | ||
10倍望遠ズーム(画角 11°) | 1000万画素(1/3.52インチ) / 光学ズーム(3〜10倍) / F4.9 | ||
インカメラ | 4000万画素 / F2.2 | ||
ディスプレイ | 6.8インチ(3088×1440px) / 有機EL / 120Hz |
Photo Gallery
超広角
120度の超広角。15mm相当の画角となります。目の前の光景をダイナミックに捉えたい時に有効。ストリートスナップ的な使い方など、写真撮影には結構使える画角だと思います。
ISO 2500で天井を撮影しました。白飛びしやすくなり、ノイズも全体に乗っていますが、これだけの高感度が使えてしまうということが驚きです。
広角
このカメラのメインカメラとなる広角。85度の画角は、一般的な28mm前後より少し広い、25mm程度の画角となります。開放F1.8の大口径レンズを採用。センサーサイズも1/1.33インチと大型で、自社開発のセンサーを採用。「1億画素」を超える108MPの高精細モードと9ピクセルを1つの画素として使う12MPの高感度モードにも対応しています。
水の上に浮かべた紫陽花。輝度差の大きい条件ですが、拡大すると細かなところまで緻密に描かれているのがわかります。繊細で柔らかな萼片(がくへん)とコシを感じる葉の描き分けも優秀です。(画像のクリックで大きな画像を表示します)
逆光性能も優秀。光源が入り込む部分やその対角にはゴーストも出ていますし、フレアも見られますが、このくらいの雰囲気あるフレアはむしろ積極的に活かしたくなりますね。センサーとレンズそれぞれの解像力の高さを感じます。
極小センサーの多いスマートフォンでは苦手ともいえる薄暗い条件ですが、雰囲気よくまとめられるあたりはさすがといったところ。金属やガラスの硬質な被写体もよく再現されていると思います。塗膜の厚みや艶感もいいですね。
望遠(光学式1〜3倍ズーム)
画角36度の望遠レンズは70mmより少し短い程度。10MP・1/3.52インチのセンサーを採用した、光学式の3倍ズームです。中望遠はテーブルフォトでも歪みを気にせず使える扱いやすい画角です。Galaxy S22 Ultraでは、望遠レンズを2種類設けることで、高い倍率と明るいF値のいいとこ取りをしています。こちらは標準〜中望遠を担当し、開放はF2.4。サムネイルは3倍のズームアップ時のもの(画像のクリックで大きな画像を表示します)。画面全域にわたりシャープな描写で四隅でも画像の甘さは感じられないなど、レンズの性能は高い印象です。
望遠(光学式3〜10倍ズーム)
こちらは画角11度・230mm相当となる望遠ズームです。スペック上「10倍ズーム」となっていますが、これは2つの望遠レンズが1〜3倍と3〜10倍をそれぞれ担当し、一般的にいうとこちらは3.3倍のズーム比を持った中望遠〜望遠ズームのカメラとなります。センサーは10MP・1/3.52インチセンサーを採用し、開放F4.9となります。薄型のスマートフォンに倍率の高い光学式ズームレンズを搭載するのは難しく、ペリスコープレンズ(屈曲光学式)という光路を90度曲げることで実装を可能にしました。また光路を曲げるプリズムを手ブレ補正ユニットと組み合わせることで、高倍率な超望遠域でも安定した画像が得られます。
230mm相当となる光学式ズームのテレ端、10倍時。
デジタルズーム、30倍時。スマートフォンでこうした写真が撮れるということが驚きです。
デジタルズーム、100倍時。2300mm相当となるのでしょうか。像はだいぶぼやけてしまいますが、肉眼でも何が写っているのかわからない遠くを引き寄せられるということに価値があるのだと思います。
Top Feature
このカメラの「売り」といえば、やはり1億画素を超える解像度。もはや35mmフルサイズセンサーでも実現されておらず、ハイエンドな中判デジタルで採用されつつある画素数です。原寸画像を等倍にしてパラグライダーの生地の部分をご覧ください。108MPという、この画素数でないと得られない情報量がしっかりと存在しているのがおわかりいただけると思います。スマートフォンで一般的な10〜12MPのセンサーではこうは撮れません。画素ピッチが極小となるため、常用ISO感度はかなり低くなるようです。画像のクリックで原寸画像を表示します(12000x9000px、28.4MB)。
User Interface
奇をてらわず、シンプルでオーソドックスなレイアウト。他のAndroidスマートフォンをお使いの方でも直観的に操作可能です。プロモードではホワイトバンランス、フォーカス、露出補正、シャッター速度、ISO感度を任意に設定可能(絞り値は開放固定)。デフォルトは広角レンズ、アスペクト比は4:3です。
108MP(1億800万画素)で撮影する場合は、アスペクト比から「108MP」を選択します。
デジタルズーム時は、被写体を見失っては困ります。クロップされるエリアが判るよう、左上にガイドのサムネイルが表示されます。
最上級なカメラ性能をバランスよく整えたスマートフォン
いかがでしたでしょうか。スマートフォンのカメラ性能の最先端を見たという感想を持ちました。超広角・広角・2つの望遠と贅沢な4眼式。特にメインとなる広角は、1/1.33インチのセンサーを採用し、108MPによる圧倒的な情報量と、大型センサーらしい美しいボケ味をも楽しめるものとなっています。また、プラスチック製レンズが多いスマートフォンのカメラで、ガラスレンズを採用していることも高品位な写りに大きく寄与しているのではないかと推察します。アウトカメラに注目が集まりますが、インカメラも画質で妥協しない1/2.8インチ・40MPのセンサー、開放F2.2の大口径レンズを採用。メインカメラの「108MP」という飛び道具も備えてはいるものの、この機種は一点突破型というよりも、高い性能をバランスよく、そして抜け目なく全方位に展開させたというコンセプトですね。結果としてどんな方にも使いやすいものに仕上がっていると言えるでしょう。