PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Nikon Z fc, NIKKOR Z 28mm f/2.8, Photo by Serow

駅を降りたら
vol.01 五反田

カメラをぶら下げていれば、いつであれどこであれスナップ撮影ができる。写真を趣味にしていて良かったと思うのは、どんな隙間時間も楽しくなるということですよね。とはいえ、日々を過ごす場所は見慣れてしまって刺激が薄れ、写欲も湧かなくなってしまうものです。それなら、敢えて親しみのない場所に出かけてみたらどうだろう。ということで本企画では編集部スタッフがそれぞれカメラを持って、慣れ親しんでいない駅で降り、近辺を撮り歩いてみようと思います。訪れる駅はサイコロ任せ。今回のターゲットは「五反田」になりました。

( Photography & Text : Serow )

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今回のお供:
Nikon Z fc + NIKKOR Z 28mm f/2.8

今回のお供にはニコンのZ fcを選びました。このカメラ、若い方にすごく人気なのだとか。軽量コンパクトであることはもちろん、身につけるアイテムとしてこのクラシカルなルックスが「可愛い」ですし、ミラーレス一眼のなかでは手を出しやすい価格もうれしいポイントですよね。APS-Cのセンサーサイズなので28mmのレンズをつければフルサイズ換算42mm相当の画角に。スナップに出かける際、いつも35mmか50mmかで悩む人にはピッタリの選択になるわけです。


駅のホームで温まる

Nikon Z fc, NIKKOR Z 28mm f/2.8, Photo by Serow

街歩きと言いながら、いきなりホームで一時停止。なんと今どき珍しく「駅そば」がホームにあるではありませんか。これを食べずにスルーはできないと、暖簾をくぐりました。

Nikon Z fc, NIKKOR Z 28mm f/2.8, Photo by Serow

駅のホームにある蕎麦屋ですから、優先されるのはスピードです。あらかじめ茹で上がった麺を温めて丼に入れ、黒黒としたつゆをたっぷりとくべ、揚げてある天ぷらを落とすというのが駅そばのスタイル。日本蕎麦らしい麺のエッジなどは感じられるものではなく、ゆるい麺にダシをたっぷり含んだ味わいが本領だと思います。個人的にはこの昔ながらの駅蕎麦が大好きなのですが、コンビニやカフェが整った昨今、朝ごはんに駅そばというのは珍しくなってきたのかもしれません。寒い朝、駅のホームで体を温める。おすすめいたします。


土地の名、地形に残るもの

Nikon Z fc, NIKKOR Z 28mm f/2.8, Photo by Serow

五反田というからには「五反の田んぼでもあったのだろうな」と想像するわけですが、都心の駅前に田んぼが残っているわけもありません。そうこうして歩いていると、すぐに目黒川に出会えました。なるほど水田に水を供給していたとしたら、きっとこの川でしょう。とすればこの川の流れはいつからあったのだろう、とか、この川はどこから流れてくるのだろう、などと思いを巡らせていくと、町歩きがどんどん楽しくなっていきます。町の解像度が上がるのですね。

人やお店、建物さえもが日々移り変わっていくなかで、川や道、坂、台地といった地形はそれほど大きく変化するものではありません。道も結構長持ちするもので、主要な国道は江戸時代やそれ以前から続くものだったりします。こうしたものを骨格として、移ろいゆくものが街を形成してゆくのでしょう。実際に歩いて、地形や名前を確認していくことは、その土地を知る手がかりになります。

Nikon Z fc, NIKKOR Z 28mm f/2.8, Photo by Serow

先程の写真に写っていた橋に移動して、振り返ってのワンカット。ここまで歩いてきてはじめて、橋の名前が「大崎橋」であることに気が付きました。橋を渡って大通りに出ると、その通りの名は「大崎広小路」です。山手線の駅として通り過ぎているときには「大崎」と「五反田」に差を感じなかったのですが、大崎のほうが歴史的に大きい場所だったということですね。大崎方向にはオフィスタワー群が見えていたことを思い出し、改めて五反田の町を振り返れば、そこかしこにマンションが立っていることに気づきます。五反田は「駅近に住める町」なのです。


人の営み。暮らしの息吹

Nikon Z fc, NIKKOR Z 28mm f/2.8, Photo by Serow

Nikon Z fc, NIKKOR Z 28mm f/2.8, Photo by Serow
Nikon Z fc, NIKKOR Z 28mm f/2.8, Photo by Serow

人が暮らす場所という目線で町を見直してみると、色々なものが目に入ってくるようになります。山手線のほかに東急池上線、都営浅草線の駅があり、交通の便は良好。いつもどこかしらを電車が走っていて、鉄道を身近に感じられるのも(人によっては)うれしいでしょう。駅周辺には飲食店がたくさんありますが、仕事場の周辺で飲む人たちばかりでなく、ホームタウンに戻ってきて食事をする人もいますよね。和食に中華、レストランやバーなどバリエーションも豊富で、お好みのお店を見つけられないということはないと思います。ガード下の自転車置き場など、ベッドタウンのニュアンスも。

川に鉄道に国道1号線も通るとあれば交通の要所であり、人々が集まる町になったのも頷けます。人が集まれば歓楽街もできる。駅の近辺には、少し旧い建物の並ぶ夜のエリアがあります。こうした場所が身近にあるとしたら、はたして独身男性には良いのか悪いのか。

Nikon Z fc, NIKKOR Z 28mm f/2.8, Photo by Serow
Nikon Z fc, NIKKOR Z 28mm f/2.8, Photo by Serow

Nikon Z fc, NIKKOR Z 28mm f/2.8, Photo by Serow

様々なものを包みこんで、変化しつづける町

五反田。歩き回るまでは勝手に「オフィスの多い街」のようなイメージを持っていたのですが、新旧マンションの立ち並ぶホームタウンでもありました。都心の、山手線の駅がある町ではありますが、町には生活の匂いがします。そこで暮らす人がいるのだから当然です。ご飯を食べる人がいて、川で佇む人がいて、道路をわたる園児たちがいる。大勢で飲んでいたり、デートするカップルがいたり、二軒目三軒目にハシゴしている人がいたりする。スナップを終えてから気がつきましたが、歩く方向を変えれば高級住宅街もあるのですよね。振れ幅が大きいというかなんというか、とても人間らしい町だと感じました。次に訪れる時はぐっと時間帯を変えて、この町の夜を切り取ってみたいと思います。

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( 2025.03.27 )

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今回使ったボディはこちらのシルバーでした。軽くて扱いやすくて、申し分のないカメラですね。何もかも高くなっている今、このプライスは魅力的だと思います。

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あらゆるファッションに馴染むのはブラック。このあたりはお好みですね。

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シャープすぎず、いいニュアンスで町を切り取ってくれます。フルサイズZにも使えるレンズなので、今後のアップグレードを見据えても良い選択になると思います。

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