PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
コラム 蒐集癖 - no.002 雑誌
のっけからなんの写真と思われる方、「蒐集癖とかけて、差の絶対値と解く」とかけばピンとくる方もいらっしゃるかと。今回は家の中のいたるところを占拠している雑誌で一席。よろしくお付き合いください。
( Photography & Text by A.Inden )
時代の空気を写す。
重いし、かさばるし、引越しの時にはダンボール何箱にもなるしそんなに持っていてどうするのと思いながらも捨てられない雑誌。今ではレンズ作例の解像度のテストぐらいしか使い道がないかもしれませんが、なぜか、ズラッと並んでる姿を見ると思わず「ニコッ」と微笑んでしまうのです。では、どうして溜まっていくのか。理由は一つだけ、時代とともに変わっていく写真を勉強したいから。
写真の勉強に写真集やハウツー本もいいと思います。でも雑誌に掲載されている写真が、一番時代の影響を受け、時代の雰囲気を写し出していると、そう思うのです。実際、古い雑誌を読み返してみると、勢いがあったバブル前のものは大胆なフレーミング・パース、ブレ・アレ、フィルターの多用等日常のシーンをいかに誇張するかを競いあっているように見えます。そして最近の雑誌は「東京物語」のように水平垂直を出し、浅い色調でシーンを誇張しないようにし、いかにさりげなく日常を見せるかを考えているように感じます。写真に流行り廃れは無いと思いたいですが、現実は違うようですね。写真の表現に行き詰まった方、少し古本屋巡りをしてみてはいかがでしょうか。
さて収納は
いい事だらけの(!?!)雑誌の収集ですが、困るのは重さと収納。エレクターに横積みしてみたり、床に直置きしたり、DIYで本棚を作ったりと頑張ってはいるのですが、まあいつか限界はきますね。「一年間使わないものは捨てたほうがいい」なんてよくいわれますが、そんなことしたら一冊も残らないです。まあ病気だと思って家族には目をつぶってもらうしかないですねぇー。ただ少しは反省して最近は電子書籍で買ってみてはいるのですが、これはという雑誌は紙で買ってしまうので少しずつですが増殖しています。話は変わりますがY.M.O.の「増殖」はいいアルバムですね。
その答えは
さて最初の写真の答えです。それは上の二枚の写真をPhotoshopで重ねているのです。合成時に画像をレイヤーの描写モード「差の絶対値」にすると変化したところだけが白く表示されます。もともと写真の合成を正確におこなうために使っていたのですが、最近はWebサイトの修正箇所を確認するためにも使われているようです。で、そんな面倒なことをして何を表現したかったのか。実はコラムのトップの写真を撮ろうとした時、カメラスタイルの5、6、10、11、12が欠けているのが気になって気になって、この撮影のためにネットで全国から取り寄せコンプリートしたことをどうしても一言書きたくて…
おあとがよろしいようで。
( 2019.01.31 )
水平垂直を出し、全ての配置に心を配り完璧な平凡を描き切る。寝ないで最後まで見きった時にその真髄に触れました。
2x4の材木に長いネジ釘を打ち込むにはインパクトが必要です。あっという間に本棚が完成し短い時間で達成感が得られます。
あのスネークマンショーデビュー作。風刺の効いた笑いを。