PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Kodak PIXPRO WPZ2 / SHOOTING REPORT
子供が使えるカメラが欲しいと思っていました。
イマドキの子供はスマートフォンを持って簡単に撮影できてしまうのですが、危なっかしくてヒヤヒヤするし、写真アプリを埋め尽くす連写も地味に困ります。選ぶなら、ちょっとやそっと落としても平気なカメラ。一時期に比べるとコンパクトカメラも減ってしまいましたが、タフ系の選択肢はまだまだありますね。今回ご紹介するのはコダックのWPZ2。パキッとした黄色い外装が印象的なコンパクトカメラです。約1600万画素の1/2.3インチCMOSセンサーに、35mm判換算27mm-108mmの光学4倍ズームレンズを搭載。水深約15mまでの水圧、地上高約2mからの落下衝撃に耐えられるボディということで、子供に持たせても安心です。早速お外に出かけて、撮り歩いてみましょう。
( Photography : haru & Serow / Text : Serow )
まずは道端の花に向けてワンカット。思いのほか立体感のある写りに驚きました。1/2.3インチのセンサーですから限界はありますが、被写体に寄って撮影したこともあってピントピークの被写体が際立って見えます。
比較的近い距離から細かな被写体を狙ってみると、レンズの描写がよくわかります。中心部の緻密な描写はなかなかのものですが、画面の端は少し流れますね。
こちらの芝生のほうが描写性能が良く分かるでしょうか。思っていた以上にきめ細やかな描写で感動してしまいました。なお、撮影者はズームの操作がわからなかったようで、すべてワイド端になります。
あまり難しく考えずにシャッターを切ってもAFがうまく機能しますし、色合いもナチュラルです。とはいえこのシーンでは葱坊主を画面中央に捉えたかったですね。
標準的な撮影モードの他に「色彩」設定メニューがあり、お好みのスタイルを選んで撮影することができます。子供に持たせるときに「マクロだ」「風景だ」というのは少し無理があるので、カラースタイルを選ぶくらいが楽しいですね。子供が興味のままにシャッターを切っているだけで、親にとってはエモーショナルなのですが。
さてオトナとしてこのカメラを使うとどうでしょう。鞄に放り込んでおける気楽さ、手にしたときの軽さ、プラスティックの感触など明らかに気合を入れる類の道具ではありません。電源を押すと流れるピロリンというメロディからして、微笑みを誘ってくるのです。だからといって写らないかといえばそんなことはなく、ズームもできるし露出補正も利きますから、それなりに意図を持った撮影ができるでしょう。肩肘はらずに使えるカメラというのも、なかなかいいものです。
スケッチするようにシャッターを切ろう
ちょっとやそっとでは壊れない・・・というよりは、少々キズがついたところで気にならないカメラであることがいいのです。雨や水を心配しないで済むのもマル。親がうるさく言わずに済めば、子供がのびのび使えますからね。うちの子はレンズに指をかけてしまう傾向があってホールディングは改善したいところですが、使い方はすぐに覚えてくれました。3歳になればもっとうまく使いこなしてくれるでしょう。
私たちオトナにとっても気兼ねなくフィールドで使える楽しいカメラです。大人が使っていればこそ子供が使いたがるのですから、子供の前でいつも使ってみせたいと思います。移り変わっていく雲の姿や、時間によって変わる太陽の光、道端に咲いた花や季節の変化。写真を撮ることはこの世界に気づくプロセスであり、カメラはそんな目を育んでくれる道具なのです。
( 2025.06.19 )
実は販売開始から息の長いロングセラー。どこへでも連れ出して、どんどん使ってみてください。
スペアのバッテリーを持っておくと安心です。