PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Panasonic LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
重さはたったの約95g。電動沈胴式となる本レンズは電源OFF時にはコンパクトに格納されるので、その姿はまるでパンケージレンズのようです。しかも35mm判換算で、28-84mm相当の画角をカバーする標準ズームレンズというのですから驚くばかり。ミラーレス一眼向けのレンズは、どれもが小さくまとめられているのですが、これはもう圧倒的なサイズです。ボディに装着したままで、トートバックやビジネスバックに入れて持ち歩くなんてことも平気。これ1本さえ持って行けば、街中スナップから風景撮影にとたっぷりと活躍してくれること請け合いです。描写は、絞り開放から十分に使っていけるという印象で、1~2段絞り込めばさらにびしっと決まります。ズーム操作は電動のみ。日頃から一眼レフを手にしている編集部スタッフは、慣れるまでに若干時間がかかったようで(笑)。しかしコンパクトデジカメで電動ズームに慣れ親しんできた人にはむしろ、こちらの使い勝手がよろしいのではないかと思うのです。しかも、光学式手ブレ補正機能まで載せているというのですから頼もしい限り。通りがかりに、あっいいなぁ!と思うシチュエーションに出くわしたらサックとスナップ。お試しください。
( Photography : M.Ito / Text : KIMURAX )
年季の入った暖簾のお店って、つい気になっちゃうのですよね。そんないつもの好奇心で、まずは店内の様子を伺うわけですが。隙間からこんな感じで。高感度にシフトしているので、前ボケで入れた暖簾はボソボソですが、何人ものお客さんを迎えてきた布だということはよくわかります。暖かい電球の光をたっぷりと写し込み、撮影したときの店の雰囲気までもがそのまま伝わってくるようです。
こちらのお店のピークタイムは並んで待つことになるようで、丸椅子がきれいに並べられていました。ズームの中間域で撮影したカットですが、画面中央では小さなタイル一枚ずつをしっかりと描き込んでいるのがわかります。絞り開放からなかなかの描写を見せてくれました。スポットライトによる明暗差も忠実に再現されています。
使い込まれたステンレスの質感、そして立体感。前後に奥行きを感じさせる程よいボケ量。食事の前に、ふと落とした視線がすっと向かった先をうまく表現できました。手ブレ補正がしっかりとアシストしてくれるので、室内での撮影も安心です。
大ボケは期待できませんが、テレ端でぐいっと寄ればこのとおり。差し込んだ光に透ける一枚を印象的に浮かび上がらせてくれました。葉の重なりによる影から細やかな葉脈に至るまで、きりっと解像しています。
冬場ですと3時を過ぎると、もうすっかり夕方のような写りになってしまいます。どうですか、この逆光でもしっかり耐えてくれるという頼もしさ。シャドーの粘りもいいですね。軽くてコンパクトなレンズですが、ポテンシャルはかなりのものです。