PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Panasonic LUMIX G VARIO HD 14-140mm F4.0-5.8 ASPH. MEGA O.I.S.
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
35mm判換算で28mm相当の広角から、なんと280mm相当の望遠エリアまでをカバーしてしまう高倍率ズームレンズです。コンパクトさがマイクロフォーサーズシステムの魅力のひとつでもありますが、本レンズの全長もわずか約84mm。4枚の非球面レンズと2枚のEDレンズを組み込むことで、10倍ズームながら手のひらにちょこんと乗っかってしまうコンパクトなサイズにまとまっています。そこで気になる描写ですが、守備範囲が広いのだから画質は多少目をつぶって…なんて心配はどこ吹く風。なるほどリッチなレンズ構成とあって、ズーム全域に渡って良好な像を結んでくれました。さすがに絞り開放ともなれば、ワイド端とテレ端で周辺に甘さを感じるものの、気になるようなら絞り込めばいいだけのこと。F値が少々暗めだなとご心配される方もいるかもしれませんが、カメラ側で高感度にシフトしてあげれば不足はないでしょう。リニアモーターを搭載しているとあってAFはとにかく素早く静か。しかも正確。さらには、手ブレ補正機構までも内蔵しているという至れり尽くせりぶり。あらゆるシーンをこれ1本だけで賄えてしまうのですから、ありがたい限りです。
( Photography : M.Ito / Text : KIMURAX )
お昼の読書タイムでしょうか。乾いた冷たい風が吹きぬけていましたが、太陽の照り返しもあってなかなか気持ちのいい空間をテレ端にて撮影。そんなあふれんばかりの光量でしたが破綻することなく、目を細めたくなるような雰囲気はそのままに、巧く切り取ることができました。
映り込み具合から、各々のガラス面が並行ではなく若干角度をずらしながら設置されているのがわかります。なんだかコマ送りの画のようで面白いなぁと思ってシャッターを切ったのですが、ガラスの艶っぽさがきちんと感じられる描写。ガラスの上下に配されたパネルとの質感の違いも一目瞭然です。
最短撮影距離は全ズーム域で50cmと変わらないので扱いやすいです。少々うるさい被写体ですが、前ボケ後ボケと共に、きりっとシャープな像を結んでいます。
まわりの木々をかいくぐってきた光が、可憐な姿を柔らかく照らし出していました。その佇まいを、そっと持ち帰るような気持ちでレリーズした1枚。シャドーエリアはほとんど落ちきっているのですが、なんとなく階調が見えてきそうな広がりも感じられ、画全体として見るとなかなかいい雰囲気にまとまっています。
街灯を真ん中に置いたつもりが右に寄っていました(笑)。ワイド端では周辺光量落ちもありますが、この程度。1段絞れば解消されます。高倍率ズームレンズとしてはかなり良好に補正されているといった印象。隅々までしっかり明るく写るレンズもいいのですが、絞りによって印象を変えられるレンズの方が、むしろ表現の幅があるので個人的には好みです。主要被写体をそっと囲んでいる感じ。欲しくなる時があるんですよね。
10倍の高倍率ズーム。こちらは単なる入門用のレンズではない、画質にもこだわった1本。レンズを選べない厳しい条件の時にこそ活躍するものなのです。
保護もお忘れなく。