PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA 60mm F2.8 DN | Art
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
シグマのArtラインと言えば、描写性能のために妥協を許さない設計が施されたハイエンドなレンズシリーズ。鏡胴はズッシリとしているものの、導かれた光は確かな像を結んでくれる信頼の篤いレンズばかりがラインアップされています。その"Art"のクォリティをミラーレス機でも享受できるのがこのDNシリーズ。「60mm F2.8 DN | Art」はマイクロフォーサーズ機で使用すれば35mm判換算120mm相当の画角となる大変使いでのある中望遠レンズです。描写力の高さは言わずもがな、重さも焦点距離なりの普通のもの、それでいて大変リーズナブルな本レンズ、さっそく作例をご覧ください。
( Photography : T.Nakanishi / Text : 4beats )
まずは寄った画から。絞りは開放です。挽いた豆や泡の一つ一つがしっかりと解像されているのがわかります。ポットのなだらかなボケ味もいい塩梅ですね。ちなみに最短撮影距離は50cmです。
同様に後ろボケも見事なもの。複雑な被写体なのでイヤな描写になるのではと心配したのですが、まったくの杞憂でした。ボケを楽しめるレンズって楽しいですよね。発色も申し分ありません。
寄った画ばかりですみません。質感描写が見事だったもので。スプーン、カップ、皿、アイスとどこを見てもリアルな描写で、手触り感や口の中の感触までイメージできると思いませんか。
距離のある被写体の描写も見事なもの。絞りは開放ながらビルの直線はキチンと真っ直ぐに、そしてディテールは繊細に描かれており、解像力の高さが伺えます。わずかながら雪が舞う中での撮影だったのですが、この距離でもしっかりと写っているではありませんか。ちょっと驚きです。
ハイコントラストで特にシャドウ側に偏ったシーンです。床面や椅子の側面など、かすかな光しか届いていないところも潰れてしまうことなく、粘り強く描いてくれています。
もう言うことありませんよね、これだけの写りを見せられると。ただただ納得するばかり。
帽子の毛並、冷たくなったブーツやビンディング、降り積もった雪、あらゆるものがキチンと、本当にキチンと描かれています。流石、Artを冠するだけのレンズ、抜きん出た描写力には驚かされるばかりです。実はこのDNシリーズのレンズはAPS-Cセンサーのイメージサークルをカバーしています。つまり、マイクロフォーサーズのボディで使用するということは、ただでさえ高い描写力をもつレンズの中心付近だけを、よりオイシイところだけを使って描写しているということなのです。さて、話は変わりますがチラッと下のカートをご覧ください。いかがですか?この価格。購入のためのハードルは非常に低くなっております。これだけよく写るレンズが、です。同シリーズの19mmや30mmも同様に入手しやすいレンズですので併せてご覧ください。ズームレンズでカバーできている焦点域に、写りの良い単焦点を加えてみる。今までとは違う景色が見えてきそうな気がしませんか。
( 2015.11.13 )
描写力だけでなく、シンプルなルックスも魅力的。ボディカラーに合わせて、ブラックかシルバーを選択できます。
SLDガラスや非球面レンズを採用した、"Art"の実力を手ごろに楽しめる本レンズ、オススメです。