PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Nikon 1 Nikkor VR 70-300mm f/4.5-5.6
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
35mm判に換算すると、なんと189-810mmに相当する画角をカバーしてしまうという、ニコンのミラーレスカメラ向けの超望遠ズームレンズ。これだけ届くレンズですが重さは約550gしかありません。今回使用したボディ「Nikon 1 V3」と併せても1kgにも満たない軽さで実にコンパクト。首や肩から提げようが、カバンに入れようが持ち運びは楽な上、800mm域相当を手持ちで狙えるなんてホント凄いことです。その名に“VR”の文字があるように、強力な手ブレ補正機能で撮影をしっかりとサポートしてくれますしね。AF性能は、カメラ側に負うところもありますがスイスイ気持ちよく合焦。そして何より肝心な描写力は、ズーム全域に渡って切れ味よく、絞り開放から使っていけます。ボケ味は柔らかく、発色やコントラストも良好。F値も、明るい屋外で使うことを前提とすれば不足は無いでしょう。圧縮感や、切り取り感の強い画に仕立てたり、スポーツシーンや野鳥など遠くにある被写体を引き寄せるには格好の1本。これは重宝しますよ。
( Photography : T.Takahashi / Text : KIMURAX )
朝日がまだ差し込む前の海。竿を短めに、近場を探っている釣り人を中間域で撮影しました。雰囲気を出すために、露出を出た目からマイナスに振っていますが、シャドー部もしっかりとねばって解像。麦藁帽子や腰に下げたタオルの質感といったディテールまで、丁寧に捉えているのがわかります。
静かで速いAF。少々距離はあっても、被写体を驚かせたくないシーンでこそ、そのありがたみを実感します。
テレ端にて撮影。不測の動きを伴う被写体を、しょっぱなからテレ端で狙ったらアレ?アレ?とフレームに収められないこともしばしば(笑)。ワイド側で居場所を確認しつつ、ズームしてゆきテレ端で切り取る。こんな使い方ができるのもズームレンズのいいところですよね。
白々と明けてきた、まだ彩りには乏しい空を背景に撮影。柔らかくボケた背景からすっと浮かび上がる花たち。ただその佇まいは凛としたものではなく、少し物悲しさを感じさせます。こういった情感のある画をきちっとしたためることができるレンズには好感が持てます。望遠マクロ的な使い方もできそうですね。
一転してこちらは彩り豊かな被写体ですが、色乗りはしっかり。躍動感たっぷりの足元を見事に捉えきっており、すぐ間近で見ているかのようなリアリティです。
パラグライダーのY字に張ったライン一本一本までをきちっと解像しています。
でっかいものは、大胆に切り取る。810mm相当ともなれば、迫力は十二分です。キレイにメンテナンスされたな機体の艶感から細部に至るまで、実に見事に再現してくれました。
テレ端の画が続いてしまい恐縮ですが、ご覧のようにとにかくもうよく写るのです。絞り開放からこの解像力には、ホント感心させられました。ミラーレスカメラというコンパクトなシステムながら、クオリティ感たっぷりの超望遠撮影ができるのですから、、、これは欲しくなります。
( 2014.08.20 )
いかがでしょうか。超望遠レンズというと「用途が限定されてしまって…」と思っていた方にも、超望遠域をワイドにカバーする本レンズなら様々な場面でお使いいただることでしょう。レンズも価格もコンパクトにまとまっています!
三脚座を付けると左手の手のひらでレンズをしっかりホールドできますから、三脚にレンズを付けない場合でもおすすめのアクセサリーです。