PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Canon EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
フルサイズ換算で24-136mm相当の画角をカバー。UDレンズやガラスモールド非球面レンズなどを組み込んでいるとあって、ズーム全域において安定感のある描写を見せてくれます。超音波モーター内蔵ですからAFは素早く静か。手ブレ補正の効きもしっかり。APS-C専用レンズとしては少々値が張るものの、広角と標準のズームレンズを個別に買い揃えることを考えればずいぶんと安上がり。しかもこれだけ使い勝手もよいとなれば、魅力は十二分です。ワイド側が15mmスタートですから、それなりに歪曲も出ますが至って素直。もし気になるようでしたら後処理ですんなり対応可能でしょう。あるいはこの歪曲による、さり気ないボリューム感を作画に活かすのももちろんあり。では、そんな作例からまずはご覧いただきましょう。
( Photography : Z II / Text : KIMURAX )
みずみずしい魚たちと、発泡スチロールのレフ板で少々眩しかったので、露出をローキー方向に(笑)。暖か味のある電球色で彩られながらも、底冷えする空気がたちこめる市場の雰囲気を、ワイド端でゆったりと切り取ってみました。歪曲はそれなりに出ているようですが、こういったシチュエーションではあまり気になりませんよね。気持ち迫力が出て、これはこれでいいと思うのです。
テレ端、開放にて。制服や帽子のテキスタイルまで緻密に捉えるキリッとした描写です。ボケ量はやや控えめな印象ですが、その分、下校時間の駅のホームの様子が窺い知れるのでむしろ好都合。
色とりどりだし、きらっと光るし、あまり歓迎すべきではない?被写体ですが、そんな心配は無用でした。色収差も少なく、なにせこの立体感。頼もしい限りです。
もっこり、ふっくら、真冬の毛並み。お耳の先っちょは名誉の負傷でしょうか。それにしても開放から実にシャープです。毛1本1本までしっかりと描き込んでいます。ハイライト部分が悪目立ちしてきそうな煩雑な背景ですが、ボケ味は総じて柔らか。ズームレンズとしてはなかなかな秀逸です。
もちろん少し絞れば、隅々までクッキリ。ここぞという時に、ワイド端の思い切った画角が使えるのですから痛快です。
( 2014.06.19 )
テレ側をフルサイズ換算136mmまで拡大した標準ズームレンズ。85mmや105mmではちょっと短いと感じていた方にはおすすめの1本です。
プロテクターもおすすめしておきます。