PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

FUJIFILM X-T50, XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR, Photo by A.Inden

FUJIFILM XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

富士フイルムからフルサイズ換算24-76mm相当の標準ズームレンズ「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」が登場しました。10年以上のロングセラーモデル「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」を、ワイド側を16mmに広くするなど最近のニーズを反映させ一層使いやすく進化させました。本レンズの主な改良点は4000万画素の高画素化への対応。レンズ構成を9群11枚と少ない枚数で仕上げながら、非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚を使うことで収差を抑制し、高解像を実現したとのこと。そして動作性はインナーズーム、インナーフォーカスを採用することで、焦点距離、撮影距離に関係なくレンズの全長が変わらないため、スムーズな撮影が可能に。さらに防塵防滴機能が新たに追加されたのは、日常使いの標準ズームレンズとして朗報ではないでしょうか。このように大幅に改良されていますが、長さ71.4mmとコンパクさはそのまま。しかも重さは約70g程軽くなり約240gとXFのズームレンズとして最軽量を更新しました。いつも持ち歩く標準ズームが軽いということは正義ですね。コンパクトなズームレンズで日常風景を切り取ってきました。

( Photography & Text : A.Inden )

FUJIFILM X-T50, XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR, Photo by A.Inden

まずはワイド端、開放の描写です。ピントピークの標識のネジやポールの錆が、触ればどんな感触がするのかわかるほどリアルに描かれています。解像力に磨きをかけ高画素機に対応したことはもちろん、それに伴い階調もかなり見直されているのではないでしょうか。

FUJIFILM X-T50, XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR, Photo by A.Inden

次にテレ端です。ワイド端と同様、シャープさと豊かな階調を併せ持った描写です。豊かなトーンが生み出す立体感で、キリッとしたボディのプレス、柔らかなボディの丸みが美しく表現されています。

FUJIFILM X-T50, XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR, Photo by A.Inden

テレ端側はF4.8とかなり控えめな開放値のためボケ量は大きくありませんが、自然で柔らかなボケ味が優しい空気感をうまく醸し出しているように感じます。

FUJIFILM X-T50, XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR, Photo by A.Inden

画面全体を走る直線が真っ直ぐで気持ちいいです。歪曲収差は開放から上手く抑えられていて、ズーム全域でほとんど感じることはありません。ビルの細い直線を見ると、周辺まで画質が均一で曖昧さを感じさせない素晴らしい解像感がよくわかります。


FUJIFILM X-T50, XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR, Photo by A.Inden

最短撮影距離はズーム全域で24cm。レンズ前玉からは15cmあるためワーキングディスタンスがしっかりと取れます。上の作例は最短撮影距離でピントを合わせた後、ズーミングして構図を整えたもの。焦点距離により最短撮影距離が変わることがないため、三脚を使用していてもスムーズにフレーミングすることができました。

FUJIFILM X-T50, XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR, Photo by A.Indenこの作例は同じ位置からテレ端で撮影。最大撮影倍率になります。ゼリーのみずみずしい描写が秀逸です。

FUJIFILM X-T50, XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR, Photo by A.Inden

テレ端、クローズアップ時のボケ味です。開放値がF4.8と明るくないためボケ方はどうかなと思っていたのですが、素直で柔らかなボケが素敵ですね。ピントピークはキリッとシャープで背景は柔らかくボケていく、この自然な写りを見ていると積極的にクローズアップ撮影を楽しみたくなりました。

FUJIFILM X-T50, XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR, Photo by A.Inden

「にゃー」と声をかけ振り向いた瞬間にパチリ。なんかめんどくさそうな表情をしています。AFは狙ったところにスッとスムーズに合います。

FUJIFILM X-T50, XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR, Photo by A.Inden

逆光耐性はすこぶる良好です。画面に太陽を入れたりと様々な条件を試してみましたが、ゴーストはほぼ見られませんでした。驚くべきことに、どんな条件でも画面全体のコントラストが下がることはなく、ヌケのいい描写が変わることはありませんでした。

FUJIFILM X-T50, XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR, Photo by A.Inden


PHOTO YODOBASHI

光を丁寧に描く上質な写り

4000万画素のセンサーを活かし切る高い解像性能に忠実な色再現。ロングセラーモデルに相応しく、見事にアップデートされたレンズだと感じました。控え目なテレ端の開放F値など一見するとキットレンズのように思ってしまうスペックでありながら、実際に使えばその写りは予想を大きく上回ります。たっぷりと光がセンサーに届けられているのでしょう、緻密に丁寧に描かれた被写体は階調も豊かで、まるでフラッグシップレンズを手にしているかのような感覚になりました。また、画質だけでなく使い勝手も秀逸。焦点距離や撮影距離によってレンズの長さが変わらないレンズなのでファインダーを覗いてから構え直す必要がなく、ひとつひとつの被写体に集中して撮影することができます。軽量コンパクトなことも含め、小さなストレスを軽減することでこれほど撮影が快適になるということに改めて気付かされました。大口径であることに拘らず写真の本質に目を向けるなら、本レンズほどオールマイティな存在はないと思います。標準ズームレンズの筆頭に、強くおすすめしたい1本です。

( 2024.07.18 )

Loading..
Loading..

さらに軽くなった標準ズームレンズ、画質も使い勝手も大幅に進化しました。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

純正フィルターはいかがでしょうか。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..