PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Carl Zeiss Touit 1.8/32 vol.1 vol.2
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
レンズの正面に刻印された「Planar」の文字にゾクッときます。「Touit 1.8/32」は、ダブルガウス型を基本とするPlanar光学設計のレンズ。この設計に基づいたレンズには数々の名レンズがあり、多くの方がその虜になったのではないでしょうか。プラナーの描写は適度なコントラストを持ちながら、柔らかく繊細。そして特に印象深いのが、開放でピントピークの周りに若干ハロを纏うこと。この残されたハロ(収差)が、いい味となり繊細なプラナーの描写を唯一無二のものにしている印象です。本レンズの描写は、その味をうまく残しながら、デジタル時代の要求に応えてブラッシュアップされたもの。夏の始まりを待つ湘南の海をプラナーの写りでご覧ください。
( Photography & Text : A.Inden )
写りはプラナーのイメージそのもの
プラナーで撮ると「幸せそうに写るレンズだな」といつも感心します。プラナーの写りのイメージは繊細で柔らか。それに加え、開放で撮影するとピントピークの周りを纏うハロが、一番見せたいところをフワッと包むこと。軽くソフトフォーカスがかかっているようにみえる描写から、幸せそうな印象を受けるのでしょうか。「Touit 1.8/32」の写りはプラナーのイメージそのものでした。使えば使うほどその描写にハマり、その良さをどう活かそうかとワクワクしてしまいました。高画素化が進み、開放からで安定した写りをするレンズが増えています。そんな中、独自の味を持ったレンズの写りは新鮮で、発売から10年以上経った今でも色褪せないものでした。遊び心を残したレンズが現行で手に入るということは幸せですね。ぜひ手元に置きレンズの味に踊らされてみてください。最後に本レンズを使う上で一つ気をつけることが。少し絞ると収差はほぼ抑えられ、さすが現行レンズという写りになります。写り過ぎにはくれぐれもご注意ください。
( 2024.07.18 )
まだ現行で手に入るカールツァイスプラナー。
プラナーの描写をもっと感じてみたい方はこの電子書籍を。