PHOTO YODOBASHI

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FUJIFILM GFX 100S II, GF500mmF5.6 R LM OIS WR, Photo by K

FUJIFILM GF500mmF5.6 R LM OIS WR

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

44×33のの大きなセンサーサイズをカバーする500mmレンズ(35mm換算で396mm相当)で、拍子抜けするほど軽くてコンパクト。正直なところ、撮影に出かける前は憂鬱だったのです。しかしスペック表を眺めてみると1.4kgを切る重量。軽いなと思いながら実際に現物を手にすると、数字以上に軽く感じました。手ブレ補正は6段程度効くそうで、恐らく大半のシーンで手持ちで撮影できてしまいます。大きなカメラバッグ、屈強な三脚を手にした、気の重くなる撮影を想像していたため、一気に気分が楽に。カメラボディ側の手ブレ補正もかなり優秀なので、ちょっとしたエポックメイキングな話です。この大きさのセンサーと画素数で、500mmという超望遠を手持ちで扱えるのですから。画角的にも風景・スポーツ・鉄道・鳥 etc...と、被写体を問わず大変オールマイティで扱いやすいでしょう。レンズの方もスーパーED2枚に、EDレンズが5枚と、贅沢な作り。せっかくなので、大げさな撮影を組まずに、35mmシステムのようにすべて手持ちでテストしてみました。

( Photography & Text : K )

FUJIFILM GFX 100S II, GF500mmF5.6 R LM OIS WR, Photo by K

ボディ側は1億を超える画素数。原寸画像のRAWデータで明度を大きく上げると、キャプテンとコパイロットの表情まできっちり写り込んでいました。一番上の霧の中の車のカットもそうですが、ともかくシャープで緻密な写り。フィルム時代の中判カメラであれば、ミラーショックで、そもそもレンズの実力を発揮できませんでした。また、この焦点距離あたりのレンズ自体があまりありません。この画素数を手持ちで、この画質で撮影できてしまうのですから、万々歳です。

FUJIFILM GFX 100S II, GF500mmF5.6 R LM OIS WR, Photo by K

絞りによる画質変化もほとんど感じられません。被写界深度を稼ぐのにF10まで絞ってみました。開放から大変シャープですが、絞ることで変わるのは周辺光量のみといった模様です。※ソフト側の補正ONであれば、開放から周辺が落ちるなんてことはありません。

FUJIFILM GFX 100S II, GF500mmF5.6 R LM OIS WR, Photo by K

ボケはナチュラルで好ましいものです。ボディとレンズのタッグで極めて高い解像力を誇るため、このように開放で人物にピントを置くとバックとは明確に分離し、その立体を感じさせる力は素晴らしいものがあります。

FUJIFILM GFX 100S II, GF500mmF5.6 R LM OIS WR, Photo by K

ヌケの良さを感じさせながらも、階調の豊かさを感じます。このあたりにシステム的な余力を感じさせられます。

FUJIFILM GFX 100S II, GF500mmF5.6 R LM OIS WR, Photo by K

最短撮影距離が2.75m、最短近くでの撮影です。被写体までの距離が長いことが多くなる焦点距離ですが、最短近くで撮影すると空気のゆらぎの影響もなくなるため、目が痛いほどにシャープ。そして立体的な写り。

FUJIFILM GFX 100S II, GF500mmF5.6 R LM OIS WR, Photo by K

フォーカシングも十二分に速く、スポーツ用途でも活躍してくれそうです。35mmフルサイズ機の韋駄天カメラとまではいかないにしても、十分実用的に振り回せて結果も残せると思います。いやはや、凄いことだと思います。

FUJIFILM GFX 100S II, GF500mmF5.6 R LM OIS WR, Photo by K

開放F5.6といえどもピント位置とバックとの距離で、全てが溶けてしまいます。さすがに街のスナップというのは、その出で立ちがある種異様でそんな気にならないかもしれませんが、軽さを考えるとフードを取り外して少し全長を縮めて、ちょっとやってみたくなります。35mm換算でおおよそ400mm程度の画角、やると面白いと思います。

FUJIFILM GFX 100S II, GF500mmF5.6 R LM OIS WR, Photo by K

わりと湿度のある日でしたが、ヌケの良さに感心します。また、カメラボディが作る色がストンと腑に落ちるのがフジのカメラらしいところ。

FUJIFILM GFX 100S II, GF500mmF5.6 R LM OIS WR, Photo by K


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GFXシリーズでシステムを組むなら、ぜひ手に入れておきたい1本

メーカーの謳うとおり、絶妙な画角とサイズ感で、超望遠を必要とするあらゆる撮影にオールマイティに力を発揮してくれる1本だと思います。カメラシステム自体が35mmフルサイズ機とおおよそ同じような使い勝手で、一つ上の次元の画が手に入るのが恐ろしいところ。防振の効きも抜群で、1億を超える画素数でも等倍で見てびっちり止まっているのですから本当に恐れ入ります。昔から富士フイルムのレンズ描写は、わかりやすい派手さはありませんが、銘玉と呼ばれるものがたくさんあります。本レンズも実に良い仕事をしてくれて、撮影後に画を見るのが本当に楽しい。そして、繰り返しになりますが、持ち出す気になるサイズと重量。フィルム時代や、デジタルバック主体の時代の過渡期といった中判カメラを思えば隔世の感があります。いや〜それこそ、この組み合わせでお子さんの運動会なんかも捉えて欲しい。写真によりのめり込むこと間違いなしです。手にした貴方が思う画質というものを、アップデートしてくれるでしょう。その昔、始めて35mmより大きなブローニーのポジやネガの画を見たときのような感動があるのではないかなと思います。

( 2024.06.12 )

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オールマイティに扱える中判超望遠なんてこのレンズ以外にありません。そのスペックからすればお買い得といえる1本ではないでしょうか。

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最新レンズは最新ボディでお楽しみください。

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