FUJIFILM GFX50S II × GF23mmF4 R LM WR
街のディティールを緻密に描く

街は変化し続けています。ほんの数ヶ月だけで、その様子がガラッと変わっているなんてことも。もっと細かいことを言ってしまうと、人や車の流れ、複雑な光の絡み合いで彩られ、秒単位でその様子を変えています。その変化を克明に、そして瞬時に写し止めたいとなれば、すばやく撮れて緻密な描写の中判センサー＋超広角という組み合わせがうってつけ。これなら風景が収まる広さもそのディティールも、自分の目のスペックを遥かに超えて、そこにあるもの全てを克明に写し出します。その描写を例えるならば超細密画。撮影時カメラのEVFでは豆粒のような被写体も、パソコンで拡大すると、その場にいて望遠鏡で覗いたかのようにクッキリ写し出されます。そのため、シャッターを押す瞬間まで風景を凝視して何が写るかをしっかり確認しないと、撮影意図とは違うものが、しっかりと写り込んでしまいます。コンパクトで気軽にスナップ撮影できますが、写りすぎるが故にこんなに気を遣う機材の組み合わせもないのではと思います。そんな贅沢なことを言いつつも上がってくる写真を見ると…もう手放せなくなってしまうのです。

( Photography & Text : A.Inden )

( 2022.05.30 )