PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Canon RF20mm F1.4 L VCM
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
キヤノンRFマウントに、フルサイズ対応の大口径単焦点レンズ「RF20mm F1.4 L VCM」が追加されました。同マウントのレンズラインアップにおいて、F1.4の明るさを備えたレンズとしては最広角。また、高い光学性能を誇るLレンズということで、高解像度に加え美しいボケを活かした表現が期待できます。レンズ構成は、UDレンズを3枚と非球面レンズ2枚を効果的に配置した11群15枚構成。重量は約519g、サイズは最大径76.5mm、長さ99.3mmで根元から先端までほぼ同一径になっており、スッキリとした印象でグリップ感も良好。また、既存のF1.4 VCM単焦点レンズシリーズ「RF24mm F1.4 L VCM」「RF35mm F1.4 L VCM」「RF50mm F1.4 L VCM」と同一の全長およびフィルター径を採用している点も特長です。これにより67mm径のフロントフィルターを使い回せたり、ジンバルを使った動画撮影において、レンズ交換時の調整が少なくて済みます。VCM(Voice Coil Motor)駆動によるAFは、俊敏かつ静音で、スナップ撮影はもちろん、動画収録の際にも高いクオリティーが期待されます。今回はEOS R6 IIに装着し、静止画の描写性能と使い勝手を確認してまいりましたので、さっそくご覧ください。
( Photography & Text : Z II )
まずは絞り開放で手前がボケるようにフレーミング。自然かつボリューミーな前ボケにより、なんだか引き込まれそうな雰囲気です。もちろん、ピント面で捉えた鬱蒼とした葉の細密な描写が効いているのですがね。
最短撮影距離、19cmで撮影。レンズの先端数センチまで寄れることで大きなボケを得られ、超広角ながら被写体を際立たせる表現が可能です。
色収差が発生しやすい撮影条件下においても、フリンジなど各種収差は抑えられています。それにより被写体と背景が見事に分離されクリアな描写です。
明るいレンズですが、開放だけでなく絞った画も魅力的です。いかがでしょう、岩肌の凹凸を緻密に再現しリアルそのものと言っても過言ではありません。
画面中央上部から西陽が差し込む逆光のシーンです。垂直に近い角度で入ってくる光に対して、高い反射防止効果を発揮するASC(Air Sphere Coating)により、ハレーションやゴースト等はほとんど感じません。
歪みを感じさせない真っ直ぐな線が気持ちいいですね。何気ないシーンでこそ、レンズの性能が感じられるのではないでしょうか。
絞り開放で撮っていますがサジタルコマフレアは発生することなく、周辺まで星の形が綺麗な円形を保っています。2枚の非球面レンズを適切に配置しているとあって、画面周辺部まで優れた点像再現です。
垣根を越えた新時代の優等生超広角レンズ
大口径F1.4もの明るさをもつ超広角レンズであれば、何かしらクセのようなものが出てもよさそうなもの。しかし開放から文句無しの解像力と自然なボケ味、優れた点像再現にさすがはキヤノンが誇るLレンズの描写性能だと、納得させられました。逆光耐性や歪みの無さまで、まさに優等生な超広角単焦点といっていいでしょう。F1.4 VCMレンズシリーズは動画撮影での使いやすさと取り回しの良さを意識し、同じサイズに設計されています。同シリーズ最広角の本レンズでさえも、高い描写性能を維持しつつ、見事にスリムでバランスのよいサイズにまとめあげました。このあたり、キヤノンの静止画と動画の両方を意識した、強いこだわりと光学設計技術の高さが伺えます。「RF20mm F1.4 L VCM」は静止画と動画の垣根がなくなりつつある今の時代にマッチし、画質や使いやすさに妥協しない新時代のレンズだと感じました。高い描写性と操作性、そして見た目の美しさまでこだわりたい方にこそ、お勧めしたい一本です。
( 2025.07.16 )
超広角のF1.4にこだわるならこちら一択でしょう。動画撮影も視野に入っているなら、迷う必要はありませんね。
F1.4 L VCMシリーズの24mmです。こちらも広角域ですがパースペクティブはやや抑えられます。
同シリーズの35mmはやや広めの標準域。風景から人物まで幅広く使用できます。
寄りの画や引きの画など自在に撮れる万能型レンズ。同シリーズでは、まず購入しておくべきレンズでしょう。
同シリーズはフィルター径が67mmに統一されています。一つで済むなら高性能フィルターをお勧めします。
夏の屋外での撮影、特に夕方から夜、早朝の撮影は虫との戦いです。しっかりガードして快適な撮影を。