PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Canon RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM vol.1 vol.2
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
( Photography & Text : TAK )
このレンズ、実はスナップが楽しい
望遠ズームはズームインして大きく捉えるだけでなく、パースを抑え込んで前後関係を強調することも得意です。視界の周辺をカットし見せたい世界だけを切り取ると被写体同士が近距離に存在するように見え、それらの関係性を示唆するようなショットが撮れます。また絞りやピント位置を変えることで、被写体同士の距離感や関係性をコントロールできます。本レンズがあればこの望遠レンズの妙味を存分に楽しんでいただけます。100-500mmという焦点距離の設定は絶妙です。コンパクトでありながら十分すぎるほどの望遠端で高い圧縮効果を発揮します。開放F値はサイズとのトレードオフですが、ピントの分離もボケもズームとは思えぬほどのクオリティで、全域でボケを生かすことができます。3枚目の狛犬と観光客のショットは他のフレーミングも考えられます。こちらは114mmで複数の要素を入れ込んでみました。6枚目は望遠端で雪にのみピントを合わせました。前後がうまい具合にボケています。標準や広角も楽しいのですが、この望遠ズームでのスナップはまた格別。前後の関係性を自在に操る面白さは病みつきになります。
野鳥もお任せあれ
EOS R3の被写体認識AFとの相性も抜群の本レンズ。空バックで飛ぶ鳥はもちろんのこと、木に止まっている野鳥も迷うことなく認識、合焦します。望遠端F7.1ながら暗所でも問題ありませんでした。野鳥の動きを止めるには少しでも感度を上げたいところです。R3のような高感度耐性の高いボディなら躊躇なく感度を上げることができます。2枚前のルリビタキのカットはISO 10000まで上げてみましたが、予想以上の仕上がりに驚きました。EOS R7やR10など、APS-Cサイズセンサーを搭載したカメラなら望遠端800mm相当での撮影も可能です。描写力、AF、手ぶれ補正、機動力、汎用性など、どれをとっても文句のつけようがない望遠ズーム。テッパンと言われる理由を再確認した次第です。
( 2023.03.02 )