PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Canon RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMは、EOS RシリーズでAPS-Cサイズセンサーを搭載したモデルに対応する高倍率ズームレンズです。フルサイズ換算で29~240mm相当と広角から望遠までを幅広くカバーしながら、重さはわずか310gと大変扱いやすく、日常を含めたあらゆるシーンにお使いいただけます。軽いだけでなく細さも際立つ1本ですが、フレンドリーな見かけによらず「まあよく写ること。もうレンズ交換しなくてもいいのでは?」というのが第一印象で、レンズをごろごろ所有する自分に懺悔を強いるレンズです(笑)。スペックなどからどうしても「大体こんな感じかなあ」って予想してしまうのですが、このレンズに関しては即断は禁物。こちらのカットは望遠端の開放、100m以上は離れていたと思うのですが、「こんな感じなんて思ってしまって申し訳ございません」と訂正せざるを得ません。続きもご覧ください。
( Photography & Text : TAK )
高倍率レンズのおいしさはその両端だけではなく、その間で自由にフレーミングを調整できることにもあります。こちらは被写体の造形やパターンを強調するべく構図を整理した結果、125mm相当になりました。解像性能、コントラスト、色再現、どれを取っても何の文句もございません。
望遠端開放でのボケを見ていきましょう。APS-C判、F6.3という条件にも関わらず、距離さえ縮めればこの通りです。完全にぼかし切ることはできないものの、これはこれで画として成立する雰囲気ではないかと思います。
続いて望遠端、最短付近です。ここまでボケてくれれば不足はありません。鋭く捉えられたピント部が、大きくボケた背景から浮かび上がっています。玉ボケに若干の年輪模様も確認できますが、レンズのキャラクターを考えても目くじらを立てるほどではないでしょう。
広角端29mm相当です。ワイドに捉えることで、伸びやかに広がる様子を再現することができます。細かい葉の輪郭もクッキリと再現。日陰で間接光を浴びる緑の発色も豊かで、現場の湿度まで伝わってくるようです。
階調、発色、質感。どれを取っても、深みを感じさせてくれるのですよね。まあ、つまり、ご覧の通りです。
雰囲気に合わせて、露出を飛ばし気味に現像してみました。階調の幅が広く、後処理耐性が高いのは助かりますね。もちろんボディ性能もあってのことですが。
高倍率らしからぬ逆光耐性です。ほんと、よく写りますね。
気が付けば、240mm相当のリーチに頼ってしまう自分がいます。それで良いのではないでしょうか(笑)。このクラスの望遠端は200mmあたりが一般的ですが、そこからの「プラス40mm」がこのレンズのうまみなのかなと思います。物理的に近づけないシーンできっと重宝しますよ。
軽いって本当にいいですね。咄嗟の瞬間でもAFはスパスパ合います。構図も自由自在。スナップがもう楽しくて仕方がないのですよ。
万能高倍率ズームの鏡
「高倍率なのに高画質」なレンズが出始めてからある程度の年月が経ち、一昔前なら夢のような状況にも慣れてしまっている昨今にあっても、本レンズのパフォーマンスには素直に驚かされました。能力からするとあり得ないような携帯性の高さを実現しながら、広角端も29mm相当と十分な広さを確保しながら望遠端を240mmまで伸ばし、強い圧縮効果を生かした作画も自由自在です。背景を工夫すれば大きなボケも得られ、50mm時は最大0.44倍の撮影倍率でさらに被写体に迫ることもできます。肝心な画質も、Lレンズのように遠景を緻密に解像したり夢見るようなボケを添えるところまではいかないものの平均を軽々と超えてくる水準で、気軽に持ち出せるレンズとして十二分の働きをしてくれます。その上このお値段で不都合があるかと聞かれれば、全くございません。持ち出すことを躊躇しないサイズでここまで万能と来れば、「瞬間」に居合わせられる確率も増えるでしょう。
「高倍率で高画質なのに、驚くほどコンパクト」。これが、キヤノンの高倍率ズームレンズなのです。
( 2023.06.02 )
キットとしてはもちろん、単焦点派の方こそ使っていただきたい「ザ・常用レンズ」です。これ一本で十分と何度思ったことか。
撥水や防汚はもちろん帯電防止が助かります。気がついたら静電気でホコリが結構付いていますからね。