PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Kenko Mirror Lens 500mm F6.3 DX
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
光学系に反射鏡を組み込んでいるミラーレンズ。超望遠域の焦点距離をギュギュッとコンパクトに設計できるのが特長で、こちらの本体は全長122mm、重さ705g。と、さらっとサイズ感を書きましたが、これ焦点距離500mmのレンズですからね。めちゃめちゃ小さいです。このレンズはフルサイズに対応していますが、今回はAPS-CセンサーのEOS D60に装着してみました。画角はなんとフルサイズ換算800mm相当。超・超望遠レンズでお散歩スナップというのもいいでしょう。マニュアルフォーカスのみですから、じっくりと被写体と向かい合えますしね。開放絞りはF6.3とやや暗めですが、デジタルカメラなら高感度にシフトすることでカバーできるので、さほど心配することはないでしょう。特有のリングボケを添えるために、点光源のある背景を探しながらぶらぶらするのも一興。巷には望遠レンズが各種様々ありますが、昨今のデジタル対応などにより、総じてよく写るレンズが増えてきたことでかえって、この特有の写りが楽しめるミラーレンズのキャラクターが際立ってきたように思うのです。そしてなんといっても、ズバ抜けてリーズナブル。超望遠の世界へと気軽に飛び込むことができる、嬉しい存在なのであります。
( Photography : T.Nakanishi / Text : KIMURAX )
距離によって変化するボケ味。ミラーレンズ特有の二線ボケが、よりファンシーな雰囲気を添えてくれました。
切れっ切れのシャープさとはいかないものの、背景のボケも手伝って被写体をきちんと浮かび上がらせています。むしろこういったシチュエーションには、さりげなく柔らかさを感じさせるマイルドな描写がしっくりくると思うのです。
マニュアルフォーカスですから、ついつい大人しい被写体を探してしまうのですが、相手が動く先を読める場合は置きピンで。こちらは坂を上りきった所にピントを置き、連写した中の一枚です。主要被写体がピント面にまだ到達していないことにより、なかなか面白い写りをみせてくれました。バイクの連なるリングボケが、なんだか未来な感じがしませんか?このボケを味方につけたら、アート的な写真もお手のものです。どんなに柔らかで美しいボケ味を見せてくれるレンズにだって、こんなの真似できませんからね。
潔くズドンとダークに沈んだ雲が、太陽の燃えたぎるような熱を封じ込んでいるかのようです。リーズナブルにしてコンパクトなレンズながらコントラストもしっかり。リングボケなど遊び心を揺さぶる要素のあるミラーレンズですが、しっかりと地に足のついた写りを見せてくれるあたり、なかなか使いでのある1本なのです。
( 2014.11.11 )
驚きのプライスで超望遠レンズを。コンパクトなミラーレンズですから、様々な場面で活躍できますよね。クセをうまく使いこなしてあげたら、手放せなくなる1本になります。
EFマウントボディでお使いいただくには、レンズと一緒にこちらのマウントアダプターも必要です。このアダプターを入れ替えることで様々なマウントにも対応。