PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/100
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
マクロレンズというと「接写用」のイメージですが、昨今のレンズは万能で用途を問いません。このマクロプラナー100mmF2も同様です。100mmという焦点距離と開放値、そして何よりプラナーのなだらかなボケ味を活かして、ポートレートなどに使うのもよいでしょう。前ボケ、後ボケともにフレームの中に入れ込んでも邪魔になることはなく、被写体をくっきりと浮き上がらせてくれます。もちろん本来のマクロレンズとしての使い勝手も滑らかなピントリングとともに存分に楽しめます。100mmという焦点距離を利用してディスタンスを生かした切り取り方をするもよし、44cmという最短撮影距離を武器に、迫力のフレーミングをするもよし。今までとは違った領域に踏み込んでみませんか。
( Photography : A.Inden / Text : Y.Moriki )
雑然としたエンジンルームも、一歩踏み込んでボケを生かすことで狙ったパーツをクッキリと浮かび上がらせ、それでいてあえて2段絞ったことで背景のメカニカルな様子を捉え、精悍で力強い車の心臓部を描き出してくれてます。
手前の椅子のボケから、テーブルクロスの合焦ポイント、そして奥の人物とさらにその向こうの緑まで、なだらかなボケに始まりなだらかなボケで終わる様は見事。さすがPlanarの描写力です。開放で撮影していますが、被写体と適度な距離をとることで、中望遠としてもごく自然に使うことができます。
目一杯近づいて、思い切りボカす。樹脂のキラメキが様々な方向に光を描き出してくれました。マクロの描写を存分に生かすことで、摩訶不思議な世界の完成です。
マクロ撮影が好きな方ならぜひ手にしたい1本。しっかりトルクを感じながらピントをあわせるマニュアルフォーカスの楽しみを、ぜひ味わってください。写りも絶品です。
マクロレンズは前玉が奥にあるので、汚れると拭きにくいという不安がありますね。フィルター付けておきますか?