Canon EF-M22mm F2 STM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

コンパクトデジカメさながらのサイズに仕立て上げられたEOS Mシリーズ専用となるパンケーキレンズです。レンズキットとしても用意されており、画角はフルサイズ換算で35mmに相当。開放絞りもF2と明るいので光量の乏しい室内での撮影や夕景だってなんのその。これ1本つけっぱなしで一日中スナップ撮影を存分に楽しむことができるわけです。移動の際はそのままカバンやトートバックに入れてもいいし、コートのポケットなら充分いけるでしょう。とまあとにかくコンパクトにまとめられたレンズですが、さすが専用設計の単焦点とあって解像感たっぷり。開放すれば柔らかなボケ味が添えられますし、ちょっと絞ればきりっとシャープ。AFの精度も高く機敏ですから快適そのもの。もちろんフルタイムMFにも対応しており、なかなか使い出のあるレンズなのであります。

( Photography : Z II / Text : KIMURAX )

絞り込む余裕はるものの、F5.6ですでにもう十分にカチッとした画が得られました。クルマの流麗なフォルムを丁寧にトレースしていますし、建物のシャドーエリアにもそれとなく奥行きが感じられます。ひとつひとつのディテールを忠実に再現しており、静まり返ったオフィス街の雰囲気までもが写り込んでいるようです。

直線が気持ちよいですね。しっかりとシャープに描いていますが、カリカリではありません。寒気にさらされたガラスの凍てつくような冷たさが伝わってきそうな写り。光の乏しい手前の軒下も、ベタッと潰れずにきちんと解像しているあたり好感が持てます。

しっかり寄れます。最短撮影距離は15cmですからマクロ的な表現もこのとおり。ドレッシングによる艶感からドライパセリのマットな質感まで、忠実に再現しています。どことなく丸みを感じさせるボケ味も魅力的です。

もう3時。子供たちはおやつの方へといってしまいました。絞りを開放して撮れば、なにげないシーンでも味のある画になるのですからワクワクするものです。それもすべては、しっかりとした描写力があればこそ。これはもう手放せません。

( 2014.03.24 )