PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Canon EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
キヤノンが世界で最初に市場に投入した異なるフォーマットに対応したフィッシュアイズーム。フルサイズで使用すれば円周から対角までの魚眼、APS-Cでは対角線魚眼、という珍しいズームレンズです。色乗り、コントラストとも非常に良好。また、フィッシュアイでしかもズームでありながら周辺まで極めてシャープな撮像。流石はLの名を冠するだけのことはあります。さらに、防塵、防滴というスペックまで持ち合わせている充実ぶり。確かに値も張りますが、描写に使い勝手にと妥協のないところが侮れません。
( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )
テレ端では対角魚眼。ビルと鉄橋がまるで一体を成すような弧を描いてくれました。ギミックフルなレンズとはいえ、「L」を冠されるだけの描写力。コントラストが高く、実にシャープです。空の色は中心にギュッと集められたかのような濃厚さで、画全体の色乗りもたっぷりです。
ワイド端にすると、不思議な世界を覗き込んだような円周魚眼に。まるで延々と続く動く歩道。円周になっても画質はすこぶる良好です。
夕刻、高感度にシフトして、テレ端にて。内側をくりぬくような描写は魚眼ならではです。ちなみにルーフは元々アーチ状ですので、念のため。半段しか絞っていませんが、ルーフの格子、床のタイルもきりっと描き込んでいます。
おいっきり寄りたければ15cmまで近づけます。そうなると中心部に据えた被写体が突出したような画になりますが、少し間合いを取れば、ご覧のように和らぎます。でも足元はしっかりと圧縮されており、可愛らしさが倍増。ズームレンズですが、自らいろいろ動いてみると思いがけない画にばったり出会えるかもしれませんよ。
何粒も美味しいフィッシュアイズーム。ただの世界初じゃありません、スペックはLレンズです。何種類も揃えにくいレンズと考えれば、これもリーズナブルに思えてきます。