PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Canon EF400mm F5.6L USM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

キャノンでも同焦点距離においてF2.8やF4がラインナップされているなか、手ブレ補正機構も搭載されず、F5.6と暗さを感じる開放値からかいまひとつぴんとイメージがわかないかもしれませんが、クラス的には軽量で、AF速度は速く、開放から猛烈にシャープな像を結んでくれる実力派です。これだけの描写性能を備えていながらも大変リーズナブルとあって、三脚必須の被写体を追いかける人には有力な選択肢の一つとなるでしょう。開放からこれだけ使えるのであればISO100で、F5.6-1/400秒程度から露出が選択できれば問題はなく、これは日中・曇り空の屋外で撮っても少しアンダー気味になるぐらい。もっとも晴天の屋外ならまったく心配無用ですし、昨今のデジタル一眼の高感度特性の良さを考えればISO800程度、手持ちで振り回すのもあり。となれば、もはや積極的にチョイスできるレンズなのであります。

( Photography : A.Inden / Text : K )

昼下がりのコントラストの高いシチュエーションですが開放で。シャドー部となるスーツの皺のニュアンスもしっかり捉えています。前後のボケ味にもクセは感じられず、良好に被写体の存在感を際立たせており、至ってナチュラルな描写です。

APS-Cサイズ機で使用すると640mmほどの画角に。夕刻から出始めた風が作り出した表面波まで実にシャープに描写しています。透き通った波の先端から一気にダークに沈んでいくグラデーションを見ていると、思わず吸いこまれそうな迫力です。風に負けぬよう、ぐっとこらえて手持ちで切り取った波形は、肉眼で見るよりもはるかに荒々しさを増していました。

こちらもAPS-Cサイズ機で、被写体を手持ちで引き寄せてみました。露出をややマイナスに補正しましたが、色再現性もバッチリです。

あえて少しアンダーにした画づくりをしていると、撮影者の意思の気配を感じます。この世界観が活きるのも、卓越した解像力があればこそ。そして開放値F5.6はもはや躊躇するスペックでは無いことに気づくことでしょう。

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キヤノン Canon
EF 400mm F5.6L USM [400mm/F5.6 キヤノンEF]

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ケンコー Kenko
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