PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Canon EF24mm F1.4L ll USM
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
はて、24mmでF1.4? 何を撮ればいいのだろうと思ってしまう広角・大口径レンズ。開放でフォーカスしたい部分に貪欲に近づいてレリーズすれば、"周辺" が溶け込むように写り込みます。この面白さは一度使うとやみつきで、たとえばポートレートで、横向き体育座り(通じますよね??)、足下から肩先にフォーカスを置いてレンズを向けます。顔の表情はぼやけて輪郭だけ伺えます。何とも面白い画が撮れるのが広角・大口径。もう感じるがままにレンズを振り回して、積極的に絞り開放で撮影すれば、新しい発見、新しい世界がそこに拡がります。もちろん、低照度下で威力を発揮します。薄暗い工房の中で、職人さんの後ろ姿、背中にフォーカスを置き、工房のおおよそがフレームに入り込む。空間をそのまま取り込みつつ撮影者の主観も一緒に。高価なレンズですが、このレンズでしか撮れない世界が間違いなくそこにあります。
( Photography : A.Inden & H.Uranaka / Text : K )
美しいとろけるような後ボケに気を取られますが、24mmとはいえ、F1.4ともなれば、このピンの薄さ! よくトンボに逃げられなかったなあと感心するカットですね(もうレンズに当たりそうな距離のはずです)しかし、気品の感じられるボケ味です。
ボケ味の美しさ、被写界深度の浅さが創り出す世界もよいのですが、絞って迫力のあるこんな画も。何だかとてもドラマティックに写るレンズで、これは本当に面白い1本ですね。ちょっと想像力を問われそうな気もしますが。
もちろん低照度下での撮影で威力を発揮してくれます。上の作例はランプ部分にフォーカスのピークを置いて、1段半絞り込んでいます。フルサイズであれば、この焦点距離でも背景はボケてきます。ランプの浮き上がり方がよいですね。ただ明るいだけで、緩いレンズだとこうは写りません。
単焦点ですが、いわゆる大三元ズームレンズに匹敵するこの価格。買うのは覚悟がいりますよね。その覚悟を「カートに入れる」ボタンに叩きつけると、興奮して夜が眠れなくなる可能性が。いえ、間違いなくニコニコの到着日が迎えられることでしょう(地域とご注文時間によっては当日お届けの可能性もあります)
レンズぶつけてフィルターを木っ端みじんにしたシーンを何度か見ています。フィルターだから笑い話ですむのです。