PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Canon EF180mm F3.5L マクロ USM
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
焦点距離は180mmということもあり、ワーキングディスタンスの取れるマクロレンズです。レンズの描写特性がよく現れる絞り開放からもピント面はシャープで、ボケ味も大変美しく、その仕上りには目を見張るものがあります。望遠マクロゆえに、当然ながら絞り開放でのピント面は激薄。いっそのこと強烈なボケ味を利用して、背景を単なる色として処理することもできます。また、絞り込んでいけばボケ味は固くなるというよりは、大変気品の感じられる趣になります。遠景の描写も抜群で、マクロ・中望遠と1本で二度おいしいレンズであることは言うまでもありません。
( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )
まずは王道的なマクロ撮影で。花粉の質感までもシャープに捉え、適度なコントラストと色乗りのよさが一目瞭然。開放からこの描写は頼もしい限りです。
カラカラに乾ききった木の葉が、最後の水を求めて舞い降りてきた・・・ちょっとキザですね。美しく広がるボケ味から、すっと浮かび上がる濡れた手摺の艶と、朽ちつつある一葉の対比。細かな葉脈までもが精細に描かれている写真には、見る人のイマジネーションをかき立てるものが確かにあります。
開放から半段絞り、露出はアンダーに。重厚感の漂う空気の中で、グリルやミラーの艶やかなメッキ感、そして滑らかなボディへの写り込みまでもが見事に再現されています。
遠景もF8まで絞ると、鉄骨のエッジから細かな突起部分に至るまでシャープかつクリアに。陰影で浮かびがる鉄板の歪みまでも的確に捉える描写力は脱帽です。
ピント面では水への写り込みの存在が見てとれます。水しぶきのボケも硬すぎず柔らかすぎず、色収差がほどよく出現し幻想的な世界観に仕上がっています。
こういった用途・焦点域のレンズはお持ちでしょうか。レンズによって広がる表現の世界、おたのしみください。
定番の薄枠高機能プロテクターです。