PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Tokina AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5 (IF)
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
ズームレンズでありながら対角180°の画角をAPS-Cサイズのカメラに供する希有なこのレンズ(※キヤノン製APS-Cサイズのカメラの場合、おおよそ対角162°になります)。その無謀と言っても過言ではないスペックにも関わらず、なかなかキッチリとした描写をしてくれるので、どこにでも連れて歩きたくなってしまいます。と言っても周辺部や開放ではさすがにちょっと甘いのですが、それとて気になる程度ではありません。寧ろよくこの程度で収まったものだと関心してしまうくらいです。そしてもう一つ関心することが。これ程の画角の広角ズームともなれば、口径が太く、カメラバッグの中での扱いに困ってしまったり、それなりに重量があったりといったイメージを抱きがちですが、本レンズは意外なほどにコンパクトです。この画角や歪曲を如何に積極的に遊び倒すか。そんなワクワク感も一緒にカバンに忍ばせておける画期的な一本です。
( Photography : A.Inden / Text : Y.Moriki )
左右に見渡す様な風景を一画面に収めたい。だからと言って、全部写せば良いとは限りません。フィッシュアイなのにズームできるということの便利さを感じたワンシーンです。
夢中になってファインダーを覗いていると被写体との距離感を見失ってしまいます。何と、最短撮影距離14cm、レンズ前約2.5cmという驚異的な数字はフィッシュアイならでは。一枚の葉の中にも遠近感を感じるほどです。
被写体とフレーミング次第では、歪曲も目立たない程度に。錆びたシャッターに落ちる強烈な日差しも、日陰の中も、程よいバランスで捉えています。
フィッシュアイは文句なしに面白い世界ですが、手強いのも事実。ズームの余地が、現場で助けてくれるでしょう。