PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA 24mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
人がぼんやりと見つめている範囲を写し込むのが28mmなら、そのもう一回り大きく写し込めるのが24mm。開放での被写界深度の浅さを上手く組み合わせ活かすことで、日常にプラスしたのりしろ(もう一回りの部分)を描き込む。こんなことを考えるだけで、このレンズが俄然面白くなります。MACROとネーミングされるだけあって、最短撮影距離は18cmと短く、広角マクロといったひと味違う接写が可能です。色々とギミック的なアプローチができる面白いレンズですが、さて、これをどう活かすか。交換レンズを買うというのは、言わば絵筆を買い足すようなもので、まさにその筆頭となるようなレンズなのであります。
( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )
明るいレンズですが、ここはバーのカウンター、高感度にシフトしての撮影です。前後のボケ味から浮かんでくる落花生。24mmのパースペクティブで存在感を増す文庫本。なんだかアートな香りがしてくるようです。
長い手摺の中でも、踊り場に近いところは多くの人が触れるのでしょう。ピントピークで捉えた塗装の浮きや剥がれを、奥へと広がるボケ味が際立たせています。今まさにここを昇ろうとする人の視線を感じずにはいられません。
ハイキーで捉えた窓の格子は、後ボケと相まって眩しい光の中に溶けて消えてしまうほどに。手前グラスのボケ味も効いており、テーブル中央を見つめているよう。どことなく絵画的な雰囲気を感じさせる、印象的なカットに仕上がりました。
さらに絞り込めばシャープさはさらにアップ。前ボケの存在で立体感が醸成されています。
軽快な撮影ができる広角単焦点は、文句なしに楽しい世界。夜のスナップにも、ぴったりです。
プロテクターには純正薄枠をおすすめいたします。