SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

シグマのAPS-Cミラーレスカメラ用、単焦点レンズ「SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary」がキヤノンRFマウント版で登場しました。本レンズはフルサイズ換算で約36.8mmの使いやすい画角に加えて、大口径F1.4の明るさと高い描写性により、すでに多くのマウントで展開している人気のモデルです。キヤノンAPS-Cフォーマット専用レンズの新たな選択肢として待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。光学系には10群13枚の贅沢な構成を採用したことでヌケが良くシャープな写りを実現し、さらにF1.4のボケを活かした奥行きある表現を広角レンズで楽しめるのが魅力です。そして大口径ながらなんと重さは345g、長さは76.9mm、フィルター径は52mmと軽量でコンパクト。旅先での風景や記録、街撮りスナップなど常用レンズとして大いに活躍してくれそうです。今回は絞り開放のカットを多めに撮影してきましたので、早速作例をご覧ください。

( Photography & Text : Z II )

ピントピークは開放からシャープ。紙と金属の質感を描き分ける写りも見事です。背景の自然なボケにより立体感があり、画に奥行きを感じさせます。

ピント位置は1m付近。手前から奥にかけてボケの様子がおわかりいただけるでしょう。ピントを置いた位置は空との輝度差がありますが、エッジの滲みなどほとんど感じません。逆光やコントラストがあるシーンでもシャドー部のトーンを粘り強く表現できそうです。

少し引いて撮れば、広角レンズらしい伸びやかな画になります。フルサイズ換算36.8mm相当はこういうシーンで窮屈にならず、気持ちのよい直線を描いてくれました。

鮮やかなサルサソースが際立つように絞り開放で上からの撮影。フワッとしたレタスとソースの色、質感の再現などシズル感を演出できました。最短撮影距離は0.25mとかなり寄れるので立ち上がって撮るようなことなく、テーブルフォトや料理を撮るのにも重宝します。

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高周波な被写体もこのとおり。シグマレンズらしいシャープネスの高さが伺えます。

絞り開放でも高い解像力を得られますが、絞ることで周辺まで曖昧さのない描写です。重なる山の端から雲の細かな表情までダイナミックに捉えています。

最短撮影距離0.25m、絞り開放での撮影。背景が綺麗に溶け、小さな主役を際立たせています。

F1.4の明るさは、夕暮れ時のおぼつかない光でもISO 100など低い感度でスナップできるアドバンテージがあります。美しいトーンを活かしたい時は、できるだけ低い感度で撮りたいところです。

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コンパクトなF1.4で日常をスナップ

ご覧いただいたとおりF1.4の柔らかで自然なボケや緻密な描写、豊かなトーンの表現は見事なものでした。これほどの性能を持った単焦点レンズがこのサイズ感で得られるのは、キヤノンユーザーや特にスナップ撮影を楽しむ方にとってはうれしいポイントではないでしょうか。もちろんキヤノン純正RFレンズには、本レンズに近いスペックの単焦点レンズは存在します。しかしフルサイズセンサーをカバーする高性能な大口径レンズのため、サイズも重量も大きく高価になってしまいます。一方で本レンズはF1.4の明るさながら軽量でコンパクト、そのうえリーズナブルな価格を実現しています。「SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary」の写りとサイズ感がご自分の撮影スタイルにマッチするなら見逃せない一本です。もしもキットズームをお持ちなら、ひと味違う本レンズの写りを体験して頂きたいと思います。

同社からは本レンズを含め「16mm、30mm、56mm」のF1.4単焦点シリーズがキヤノンRFマウントにラインアップしています。超広角から中望遠まで揃えることで、建築写真からポートレート撮影までこだわりの描写を楽しめるのですから、是非ともお勧めします。

( 2025.02.25 )