PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
TAMRON 16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO Model B016
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
APS-C専用となる、猛烈な高倍率ズーム。なんと18.8倍!もこうこの一点だけでインパクト大なわけです。しかも、高倍率ズームといえば18mmスタートが当たり前だったわけですが、こちらは革新的な16mmスタート。高倍率ゆえに軽量・コンパクトなサイズで如何に遠くを引き寄せられるかという点につい気が向いてしまうものですが、ワイド側を広げてくれました。たった2mm、されど2mm。テレ側のそれとは、まるで影響力が違います。より広く、より近づける。そう、表現の幅が格段に拡がるわけで、有り難い限りなのです。もちろん手ブレ補正機能も搭載されており、ワイド端・テレ端を手持ちでという条件でも、面白いように画が止まります。AFも素早く静かですから痛快そのものです。しかも簡易防滴構造という安心感までプラスしているという至れり尽くせりぶり。レンズ交換という小休止を挟まずに、おおよそのシーンをゲットできてしまうのですから、被写体への集中度は高まるばかり。写りもよいものですから、益々のめり込んでしまうというものです。
( Photography : T.Nakanishi / Text : KIMURAX )
野生ですからどんな距離感で出くわすかわかりません。ただ、そう近い距離ではないことぐらいは予想できますが。やっと出会えたら出会えたで、大きく写してみたくなるというもので、テレ端にて捉えました。賢そうな瞳から、ふさふさの毛並みまでしっかりと捉えています。絞り開放でここまで描写するのですから大したものです。気まぐれな天候でしたから、簡易防滴構造は大変助かりました。
こちらは、テレ端で遠景を。若干甘いかなという印象ですが、これだけのズーム域をカバーするレンズとしては上出来だと思うのです。ホントに。
圧縮効果もお手のもの。立体感もバッチリですね。
こちらは中間域での撮影。高コントラストなシーンながら、シャドーエリアもよく粘っています。カリカリの描写とまではいかないものの、細やかさは十二分に伝わってきます。
絞り込んでいますが、どうやら逆光には強いようです。風景撮影での自由度も増すのでいいですね。空そして雲の階調表現もなかなかのもので、大空間の奥行きを存分に感じることができます。
最短撮影距離は39cmと高倍率ながら寄れます。ボケ味も自然な風合いで、ピント面をしっかりと分離。本格的なマクロ撮影も、強力な手ブレ補正でアシストしてくれるので安心です。
ワイド端で気持ちよく切り取ってみました。さすがに逆光では、角度によってはゴーストもでてきますが至って軽微。これだけクリアな描写をしてくれれば、筆者個人的にはなんら不足はありません。
フレーム、サドル、タイヤなどそれぞれ異なる素材の質感までよく捉えています。人工物のラインがしっかりと出ており、色乗りもしっかり。欲張りな高倍率ズームながら写りのよさまでも手に入れているというのですから、これはもう手放せなくなりますよ、きっと。
( 2014.04.25 )
これ一本あれば、撮れないものはない!と思えてしまうスゴいレンズです。
前玉は大切に。