Nikon Df SHOOTING REPORT  

おおよその皆さんが想像するカメラらしいルックスで登場したことで、いろんな評判を呼んだNikon Df。その特長を簡単にまとめると、撮影に必要な操作系の一部が軍艦部のダイヤル設置でダイレクト化。また、Nikon D4と同じイメージャーを搭載しつつ、連写性能など一般的な使い方では持て余しそうなパワーを削いでボディを極力コンパクト化。あまたとあるAF以前のNikkorレンズは、これまでのボディでも使用可能でしたが、この度Ai以前のレンズも使用可能となり、結果として最もNikonの歴史をトレースできるボディとなりました。Dfの「f」は「フュージョン」を意味するそうですが、なるほどその通りです。車で例えると、Dfは小粋なスモールカーといったところでしょうか。対極にある「エキゾチックカー」のように戦慄を覚えるようなパワーそして緊張感・高揚感といったものではなく、いつでも手の内にあってコントローラブル。使い勝手に富み、かつデザインコンシャス。これだけでどこまででも行けそうな、そんな愛しさを覚えるフィット感。カメラのフラッグシップモデルに対するコンセンサスからすれば、少しベクトルの違うカメラの定義といってよいでしょう。決してノスタルジーに走ることを第一としたカメラではないように思います。実際に使ってみて、そう思うのですね。

そんなモデルが生まれた背景というのは、詰まるところ根本的な変更無く存続させてきたFマウントあってこそでしょう。思い返してみれば、Nikonから35mmフルサイズセンサーを搭載したカメラがなかなか登場せずにユーザをやきもきさせていた頃、「マウント径が小さいから出せないんだ」「Fマウントはもう限界だ」なんて話をよく耳にしました。様々な要素を磨き、次元を上げ、ブレークスルーを積み上げることで、こんなカメラを企図できたのだろうと思います。たとえばカメラ全体の省電力化一つにしたって、Dfを支える要素の一つでしょう。ボディサイズを決めるのにバッテリーのサイズは大きな要素の一つですよね。挙げ連ねればキリがありませんが、いずれにせよ「やってみたい」という想いから出てきたカメラなのだろうと思います。そして、使ってみた感想を一言でまとめると「楽しかった」。これに尽きるのです。

( 写真 / 文:K )

ボディがこれだけコンパクトで、かつ操作系がダイレクトなダイヤルが備わるとなると、やっぱりマウントしたくなるのは単焦点レンズ。手持ちのMFレンズを引っ張り出して、とにかくとっかえひっかえ。「お、似合うなあ!」「いいじゃん!」なんてことをひとしきり楽しんでしまいました。その結果が、前回の「外観プレビュー」だったのですが、編集長から「現行のAFレンズもきっちり使うように」とのお達しが。しかし何も盲目的なMF信奉者ではないのですね。たとえば、Nikon D4にMFのレンズをマウントする時は、どうしてもそのレンズが結んでくれる描写が欲しい時だけ。AFレンズに最適化されたボディですから、絞りもシャッター速度もコマンドダイヤルで操作できるほうが楽です。そして「もっと速いAF!」「もっと正確なAE!」「もっとシャープな画を!」と、性能面への欲求も高まります。そこへきてDfは、昔ながらの操作性も「同居」しているわけです。その操作性はダイレクト。指で露出を制御している実感がやはり大きいのですね。だからこそ自分の指でピントリングを回すMFレンズに、つられるように手が伸びるのだろうと思います。また、コンパクトなボディにやっぱりよく似合うのです。ステップダウン、スローダウン、適当な言葉が見つかりませんが、つまりは突き進むかのような撮影から、歩く速度で。そんな感じでしょうか。

うるっとしたボケ味が特長の Ai Nikkor 35mm f/1.4S。ページ一番上のカットも同じレンズでの撮影。まだ新品で買えるんですよね。筆者が手に入れたのは10年ぐらい前でしょうか。葦簀にピンを置いて、ゴーストやフレアと絡めて凪いだ夕暮れ時を撮ろうと思っていたのですが、思いがけず人が通りかかったタイミングでシャッターを。MFレンズだと、日頃の撮影と少しばかり違うアプローチになります。あまり素早い撮影は難しいので、結果的にじっくり撮ることが多くなります。

海辺の写真が続いて恐縮なのですが、こちらは懐かしの43-86mmズームレンズ。中心部は結構な解像力なのですが、周辺になると流れ気味。男性だけをフレームしていたのですが、堤防に猫がご登場。WEBページでは横位置のほうがカットとして使いやすいことが多く、横位置で当初フレームしていたのです。古いレンズで右側のハイライトは滲むだろうし、男性を左下に置くと周辺の流れ方から物憂げというか、ボーっと見つめるような写りになるかなと、咄嗟に縦に持ち替えて撮影。言ってみれば古いレンズというのは特長だらけ。言葉を置き換えれば「欠点」になるのでしょうけれど、使えるモノは全部使うという発想だと、いろいろと”手遊び”にもバリエーションが(笑)。後処理で同じような効果も狙えるでしょうけれど、光学的な特性というものは、その場の光や入射角度、光の固さ、様々な要素が入り交じるため、予想も付かない写りになることもあります。シミュレートもできるのかもしれません。しかし特長だらけのレンズをマウントした方が早い(笑)。間違いない撮影をこなしたければ、できるだけ最新で最良と名高いレンズをマウントするほうがよいのは当然ですが、それとは全く別次元で楽しむ撮影、まさに楽しいですよね。

なかなかのクセっぷりが楽しい、50mm F1.2。こちらもまだ新品で買えます。このカット実はどこにもピントを置いていません。最初は額縁に置きましたが、そこから少しわざと外しています。もう収差のオンパレードですね。ウインドウに映り込む信号機は「赤」だったのですが(わざわざ青から赤になるのを待って撮影)、最近はLEDにすっかり置き換わってしまって、シャッター速度を調整しないとキチンと写し込めませんね。

 

もう出で立ちにノックアウトな15mm F3.5。残念ながら既に絶版となっています。フイルム時代に泣きそうな思いをして購入したレンズですが、こんなに写ったかなあという印象。もっと緩い印象ですが、実にきめ細かで淀みの無い写り。フラッグシップに用いるセンサーはやはり別格で、そもそもD4でも曖昧さの無いスカッとした印象がありますが、そのままですね。またISO1600なんて、よほどのことをしない限り(※)画に破綻など生まれません。素晴らしい写りですね。
※ たとえば適正から4段アンダーで撮影、後処理で持ち上げる・・・なんてことをしない限り。

柔らかい画が続きましたので、少しカチっとしたものを。レンズは20mm F2.8。こちらもまだ新品で買えます。開放から凄くシャープなのですが、階調が豊富で、しかしコントラストも結構つくレンズ。筆者のお気に入りの1本です。盛大に周辺落ちしますので、それを嫌うなら2段程度は絞り込むのがよいと思います。色味が結構渋めで、都会に差し込む硬い光を捉えるには最高の1本だと思います。このレンズ、久しぶりに引っ張り出しましたが相変わらずいいなあと感じました。

キットレンズに据えられた50mm F1.8は、通常モデルの架装版で光学的にはなんら変更がありませんが、個人的にはF1.4より画にまとまりがあって好きなレンズの1本です。流石に現代のレンズだけあって切れ味は開放から見事。ボケ味もスムーズで文句がないですね。ボディの外観記事の際にも記しましたが、少しコンパクトなこのレンズを組み合わせてきたことが、Dfというモデルの性格をよく表していると思います。

こちらはAFレンズの35mm F2D。いまや絞り環のついたDタイプレンズも少なくなってきましたが、現行品です。大変コンパクトで可愛らしいレンズですが、写りは抜群! スカっとキレある単焦点の面目躍如といった印象で、色乗りもよく、実に佳いレンズだと感じます。滑り台の上から真俯瞰で撮影。光が差し込む角度の関係もありますが、実に立体感溢れる画で、リアリティがありますね。

寄ると流石にF2。かなり大きなボケ味が得られます。もっとボケ量が欲しければF1.4という選択肢もありますが、小さなボディにF値控えめのリーズナブルなレンズ。この組み合わせもなかなか美しいと思います。

 

こちらも50mm F1.8。少し絞り込んでの撮影ですが、目が痛いぐらいシャープ。すごく軽くコンパクトなレンズで1本持っておいて損は無いと思います。現行のAFレンズをマウントしても、その他のNikonデジタル一眼となんら変わりなし。従って、D4にたとえば24-70mm F2.8をマウントして撮影するのと変わりありません。ただ、ボディがコンパクトなので小さいレンズが似合いますが。もしD4のスペアが欲しいというのであれば、1台をDfにするというのも美味しい手かもしれませんね。ロケ撮りにDf、スタジオでD4など。D800シリーズやD610あたりをお使いの方で、フラッグシップに搭載されたセンサーを味わってみたいという場合にもよいかもしれません。

今回、MFレンズを5-6本、現行のAFレンズで少し口径控えめの単焦点を2本持ち歩いていたわけですが、なんとなく軽やか。いつもなら1本でカバンの1箇所を塞いでしまうところ、そのスペースに縦に3本レンズが入ったりして、つくづくMFレンズというのは軽くて小さいんだなあと感じます。AFレンズでも単焦点であればズームほどはかさばりません。出かける時にレンズを持ち出すことを諦めて、現場で後悔したくないとよく思います。沢山の焦点距離のレンズを持ち歩けるのはありがたいですね。

すっかり影が長くなる季節になりました。空気は澄んで、1年で最も光が美しい季節でもあります。85mm F1.8での撮影。素晴らしいヌケ、たおやかなボケ味です。

上の方で登場した”ホワホワ”50mm F1.2。少し絞ると画は豹変します。開放から素晴らしいに越したことはありませんが、現実的に50mm程度の焦点距離で、低照度下でも無い限り開放で撮影することは普通の撮影では考えにくいですよね。もちろん何が何でも開放というのも楽しいですが。ならば、ちがう描写が得られるオールドというのも一興でしょう。

 

冒頭に記した通り、D4というラインがあり、そこにもう1本のライン。写真を撮るだけのための機能にフォーカスして(動画機能は実装されていません)、昔ながらの操作系と今時の操作系を同居させ、古のレンズから最新レンズまで使用可能。まさに「フュージョン」でしょう。はてさて、フュージョンの結果、皆さんがどう捉え、どうお使いになるか。これは別して皆さんの胸の内にあることでしょう。多面体のように解を持つボディで、あらゆる使用目的に耐えるには、写真を撮る道具として信頼性に富み、撮り手が現場で望む操作性を持ち合わせているかということが最も大事なのですが、流石にNikon。考え抜かれたボディバランス、相変わらず見えのよいファインダー、そこはしっかり担保されています。そして、私が一番感心したのはシャッター音でした。D4のように勇ましいシャッター音では無く静か。静かと言っても無音に近いというものでは勿論ありませんが、どのボディと比べてみても似ていません。五月蠅くも無く、邪魔にはならない。しかしキレは感じて心地よい音でした。恐らくこのカメラの特性は全てこの一面に表れているのでは無いかと思います。言ってみれば、紛れもなく最新のデジタル一眼レフ。しかし、昔ながらの操作系を恰好だけで同居させたのではなく、昔の一眼レフ同様に使える。結果として、様々なレンズをマウントしていつもよりロケが長引きました。「こんなカメラ作りたいね」と生まれたカメラは、実際に手にして使い込んでみると、一つの新たな価値を見せられた気がしました。    

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ブラックは実に精悍。メカっぽくて最高です。編集部女子スタッフ達は「かわいい!」と言ってました。毎度思いますが、カメラをかわいいと言う感覚は面白いですねえ。

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シルバー結構恰好よいです。一度シルバーボディって買ってみたいのですが。

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こちらは50mm F1.8とのセット。ブラック。

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同じくシルバーバージョンのセット。半段の余裕がキレある描写を生みます。なかなかおすすめのレンズですよ。

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バッテリーが薄くなったので、どうなんだろうと思っていましたが、結構持ちはよいみたいです。しかし、転ばぬ先の杖を。

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保護フィルムもどうぞ。

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まだ買えます!しかしマウントも変えず、MFのレンズをラインアップし続けるNikonは凄いですね。

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24mmも買えますよ!

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このレンズ、随分前からラインアップされてますが、ヌケ・キレともに抜群。シャープで色載りもコテっと。おすすめです。なにせコンパクトです。

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手に入れると、楽しくなること請け合い。ぜひ。

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F1.4をお望みなら、ボディのみと、本レンズを。超音波モーターも搭載されました。

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せっかく単玉使うのです。色気のある写りをぜひどうぞ。

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マクロだけではなく、ぜひ普段使いにも。このレンズ、銘玉と呼んで相応しい写りだと思います。

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な、なんと。あわせてこちらもですか。素晴らしいですね!

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いやはや、、、こちらまで。その心意気「写る」と思います!

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半段暗いレンズは結構佳いレンズが多いのです。それもジワっとよい。持続する嬉しさです。

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