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LEICA M10 プレス発表会レポート

2017年1月26日、ライカ銀座店にてLeica M10のプレス向け発表会がありました。早速その様子をお届けしましょう。

新しいライカ。この言葉の持つ魔力はいったい何でしょうね? 状況だけをシンプルに説明すれば、「あるカメラメーカーが新製品を発表した」という、ただそれだけのこと。年に何回となくある、まったくありふれた出来事であるにもかかわらず、この胸の高鳴り! やっぱりライカは特別なんですよ。ライカが単なる懐古趣味のデジタルカメラでしかなかったら、あるいはその逆に、ひたすら先進性だけを追い求めた未来志向のカメラでしかなかったら、とっくの昔にその輝きを失っていたと思うんです。「いままで」と「これから」の両方を大事にした上で、我々にフォトイメージングの新しい世界を提示する。だから未だに特別であり続けるんです。なにしろライカの場合、1925年から始まる「いままで」が半端じゃないんですから。まさにそれを象徴するカメラが、今回のLeica M10です。ボディの厚みが、フィルム時代のM型ライカとほぼ同じになった。それが大ニュースになるのは、「かつてと同じであること」を世界中のユーザーが待ち望んでいたからです。

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発表会は、ライカカメラジャパン株式会社・福家一哲社長の挨拶で始まりました。いつ見てもダンディなお方です。福家社長は「スマートフォンも含めて"撮影"というものが日常化する中で、"撮影することの本質" "撮影に集中できるカメラ"をライカが今でも追い求め、撮影に必要な要素を凝縮した結果がM10であり、1954年から始まったライカMシリーズが今なお存在感を発揮できるようこれからも努力していく」というお話をされました。

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いよいよプレゼンテーションの本編です。プレゼンターはこの日のためにドイツから来日された、ライカカメラAG社・グローバルフォトビジネス ダイレクターのステファン・ダニエル氏。ダニエル氏には、発表会の翌日にPY編集部が単独インタビューをさせていただく機会に恵まれましたので、そちらも楽しみにしていてください。

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光学式ファインダーを持つレンジファインダーシステムの優位性について一通りお話しされた後、まず最初に言及したのは、やはりボディの厚みについて。かつてのLeica M4と並べたカットで、スリムになったボディを強調していました。しかしここでトップカバーのクロームが削れて真鍮の生地がむき出しになったM4を敢えて使うあたり、センスがいいというか、ニクイですね。私はそこに釘付けになっておりました。

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このボディの薄さを実現できたのは、シャッターやセンサーを始めとする各パーツの小型化、バッテリーサイズの変更、さらにはプリント基板の配置を工夫する(積層を横に並べた)など、あらゆる面でのダウンサイジングの努力が実を結んだ結果、とのこと。

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搭載しているセンサーはLeica M10のために新設計されたCMOSセンサーで、ダイナミックレンジ、コントラスト、シャープネス、細部の再現性など、画像を評価するすべてのパラメータが向上している、とおっしゃっています。

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このセンサーはISO 50000まで設定可能で、しかもそれは「完全に実用になるもの」だと申されています。

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ファインダーに関しては、ファインダー内視野が30%広がり、ハイアイポイント、つまりファインダーと目の間隔を離した場合の視認性能が50%アップしているとのこと。これはメガネ使用者(私もそうです)にとってはとても嬉しいことです。あとはファインダー倍率が従来の0.72倍から0.73倍に「ほんの少しだけ」アップしていますが、もちろんこれは0.01ポイントのアップを狙ったものではなく、あらゆる改善をした結果、そうなったということのようです。

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ボディ背面の操作系インターフェースはずっとシンプルになりました。また、大きな変更としてファインダー接眼部の左上、フィルムライカだと巻き戻しのクランク(またはノブ)がついている部分にはISO設定のダイヤルがつきました。これで撮影に必要な操作、すなわちフォーカス、絞り、シャッタースピード、ISO設定が液晶モニタを介さずに設定できるようになったというわけです。もちろん電源OFFの状態で変更しても、ONにした時に反映されるようになっています。そのデザインに関しては完全にLeica M3/M2のオマージュで、もういちいちニクイ。

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ライカMシリーズの歴史の中で初めて、Wi-Fiを内蔵しました。Leica M-AppというiOSアプリを介してデジタルデバイスに転送することができます。この転送はDNGフォーマットの画像データも可能。また、このアプリによってLeica M10本体を離れたところからリモートコントロールすることもできます。

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これまたネーミングがニクイVisoflex、つまり外づけEVFファインダーは2.5メガピクセルで、もちろん上下にスイングします。またアイセンサーがついて、覗いていない時は液晶がOFFになり、バッテリー消費に一役買う仕組み。GPSもここに内蔵されています。

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アクセサリー群も充実。上から順に、後づけの大型サムグリップ(ボディトップカバーとまったく同じ材質、および仕上げ)、底蓋ごと取り替える方式のハンドグリップ、肩掛け式のホルスター(前出ハンドグリップをつけた状態でも収納可)、液晶部分を取り外しできるボディプロテクターです。

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さて、駆け足のレポートでしたが、どうでしたか。もちろんそれなりのお値段はします。誰もがひょいっと買えるわけではありません。でも、もしあなたががんばって(あるいは無理をして)このカメラを買ったとして、「高い買い物をしちゃったなあ」とは思わないんですよ。むしろ、これからの支払いのことなどすっかり忘れて狂喜乱舞し、このボディを愛おしく撫で回すんです。それだけの価値があることは、もう分かってるんです。だからこそ憧れるし、憧れだけで終わらせずに手に入れたいと思うんですよね。さあ、がんばって働きましょう。


LEICA M10の実写レビューがフォトヨドバシで公開されました。フィルム時代のM型や前モデルのM (Typ240)とM10を並べた写真もご用意しました。こちらからご覧いただけます。

ステファン・ダニエル氏 単独インタビューはこちらから。

( 2017.01.27 )

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まったく新しいデジタルのライカ「M10」いよいよ発売です。こちらはブラッククロームボディ。

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こちらはシルバーボディ。あなたはどちらがお好みですか。

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ライカTLと共用となるEVF。少々値は張りますが、GPSを内蔵し、見えもたいへんよくなりました。アクセサリーシューに内蔵された接点により、外観もシンプルかつスタイリッシュです。

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先代よりコンパクトになったバッテリー。これまで同様、バッテリーはかなりもつ印象ですが、コンパクトだからこそ保険としてバッグに忍ばせておきたいですよね。

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サードバーティ製で人気となっていたサムレスト。純正品の完成度は嬉しいですよね。M型ライカをお使いの方で、巻き上げレバーがないことで右手親指が落ち着かない方には必須のアイテムです。

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こちらはシルバーカラーのサムレスト。ボディのシルバーと同じ塗装になりますから、より一体感のある佇まいになるでしょう。

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Noctiluxなど大きなレンズをお使いの方にはホールディングが安定するハンドグリップがおすすめです。こちらもボディカラーに合わせて、ブラックとシルバーをラインナップ。シルバーをご希望の方は商品写真をクリックするとカラーバリエーションをご選択いただけます。

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純正品として液晶保護フィルムも登場しました。背面液晶のカバーガラスは強度の高くスマートフォンでも採用されている「ゴリラガラス」になったそうですが、万が一を考えたら着けておくにこしたことはありません。

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