PHOTO YODOBASHI
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TAMRON SP AF180mm F/3.5 Di LD [IF] MACRO 1:1 Model B01
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
マクロレンズとしては揺るぎない人気を誇るSP AF90mmがタムロンにはありますが、その望遠マクロ版となるがこのSP AF 180mmで等倍撮影も可能。最短撮影距離は46cmですから、近づきたいけど近づけない、でもクローズアップしたいという時に便利なレンズ。さすがに絞り開放からすぱっと切れる描写とはいかないものの、柔らかなボケ味とのマッチングでやさしく被写体を際立たせてくれます。もちろん絞れば気持ちのいい切れ味を見せてくれるので、開放から鋭く切れるレンズよりも表現の幅はむしろ広いのではないでしょうか。薄々の被写界深度ですから三脚の使用が前提となりますが、シャッタースピードを稼いで手持ちでやってやれないこともありません。フォーカスの追い込みがしばしば必要になるマクロレンズですから、AFとMFの切り替えはカメラを構えた状態で可能。また、PLフィルターの装着時は直接フィルターを回さずに、鏡胴に設置された操作リングを操るだけでフィルター効果を変化させられます。マクロ撮影はちょっとした事でも相当なストレスになるものですが、こうした工夫は撮影者の負担を減してくれるのでありがたいものです。
( Photography : T.Nakanishi / Text : T.Nakanishi & KIMURAX )
この白い花、ご存知ですか?ジャガイモの花です。花びらの裏側に産毛のようなものがあるのが特徴なのですが、精細に描き込んでいます。F5.6まで絞っても、背景との距離があればたっぷりとぼけて、これはもうほとんど色の世界。ファインダーを覗いているそばからワクワクしてきます。
雨上がりの朝、麦畑に出かけてみました。マクロレンズをつけると無性に水滴が撮りたくなります。根気は要りますが、別世界を垣間見れるのはとても楽しい作業です。絞り開放から十分なシャープさが得られますが、切れすぎないためかボケとのバランスがなかなかうまくとれています。
180mmともなるとかなりの圧縮効果です。しかし窮屈感はなく、濃密な空間に仕上がっています。光と影の強弱も大変うまく拾っています。遠くの被写体をマクロの解像力でビシッと決めたときは、ついついニンマリしてしまうのです。ぜひとも味わってみてください。
望遠だからこそ得られる表現力。使いこなし甲斐のあるレンズですね。
プロテクターは薄枠がおすすめ。