PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
マクロと名前についているだけで寄り専門と思われがちですが、風景や中距離のスナップ撮影にとなかなか活用範囲の広いレンズです。50mmの画角と等倍マクロをこの1本で同時に手に入れられるという買い得感のある存在。単焦点ですからヌケもよく、マクロならではのシャープな描写は痛快です。画面周辺にとびっきりの解像感を求めない限り開放からしっかりと使用でき、おおむね柔らかなボケ味を添えることができます。絞れば周辺もシャープになり、収差も気にならないレベルに。普段の持ち歩きにはこれだけで十分と思わせるほど、価格の割にはとても良く写るという印象。作例でそのパフォーマンスのほどをご覧ください。
( Photography : S.Zets / Text : KIMURAX )
表に光が当たっている葉と、裏から光が当たっている葉が共存しているという面白いシチュエーションでしたので、絞り込んで被写界深度を深めに撮影。たかが葉っぱ、されど葉っぱ。スポットライトの当たり方次第でまったく異なる表情を見せてくれます。こんなことも頭に入れながら被写体探しをしてみるとシーンの幅が広がるかもしれません。マクロのシャープな描写力を持ってすれば楽勝です。
見上げた灯台の発光部の傘に、ボケ味を添えると月のように見えてきました。灯台が無かった時代の航海は、月明かりや星を頼りにしていたのでしょう。そんなパズルが頭の中で揃うと、このアングルでの撮影に俄然意味性が出てきますよね。若干絞ることでぼかし切らないデフォーカス部分と、しっかりとフォーカスしたプレートとの対比が絶妙。マクロの描写があれば、記念撮影の域を軽く飛び出すことができます。
マクロレンズというと近接が得意というイメージがありますが、無限遠だってこのとおり。広がるさざ波や船、さらに遠くの雲までしっかりと描ききっています。
最後に絞り開放の画を。うぶ毛を捉えるようなシャープさとまではいきませんが、中央ではピントの芯も十分出ています。開放からバシバシ使っていけますね。
50mmのマクロレンズって、どうして楽しいんでしょうね。
とりあえず、保護しておきましょう。