PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA MACRO 105mm F2.8 EX DG HSM
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
ひと口にマクロレンズと言っても、レンズの長さによって使い勝手は様々。とりわけこちらの105mmは、被写体と程よいワーキングディスタンスが保てるとあって、クローズアップ撮影には打ってつけの1本です。たたき出す画は、切れ味鋭いマクロの描写。ほんの僅かなブレも許されないシビアなレンズだけに、しっかりと手ブレ補正機能も搭載されています。おかげで身軽に被写体と対峙できるので快適そのもの。もうとにかく絞り開放からキリッとした像を結ぶレンズなのですが、ボケ味は至って柔らかなのです。そして絞り込むと画面全体にその切れ味が行き渡るので、105mmの中望遠レンズとしてもどんどん活用したいところ。表現の幅の広い単焦点レンズとして、有力な選択肢となること必至です。
( Photography : M.Ito / Text : KIMURAX )
カウンターの獲物は?と視線を延ばすと、姿勢のいい海老ちゃんが。その後方では仲間が天つゆの中へと…。絞り開放での薄いピント面が浮かび上がらせてくれた、運命を感じさせる1コマ。ちと大げさですね(笑)。でも全面くっきりのパンフォーカスで撮ったんじゃ、こんな世界は見えてこないわけです。大口径レンズ、これは面白い。
こちらは別のお店ですが、お客さん越しにおいしい獲物を狙い撃ち。というか、トングでひょいひょいとポジションを替えていく、手際のよさがこれまた小気味よかったのです。美味しそうな主役をビシッと捉えながら、楽しそうなお客さんの表情を柔らかくぼかしたことで、お店全体の雰囲気までもがじんわりと伝わってきますよね。このちょっとタイトな中望遠の画角だからこそ、しっくりとくるのでしょう。
画面中央の解像感は、絞り開放から冴えわたっています。朝晩の肌寒さがちょっぴり気になりだした季節の空気感。よく出ていると思うのです。
対象をきっちりと描き出すマクロの力。肉眼ではなかなか見えにくいところまで、しっかりと見せてくれるから面白いものです。
開放から2段絞っての撮影。ファインダーを覗きながらピントをコントロールしていく…この過程がなんとも言えず楽しいひと時です。手ブレ補正の効きもよく、このぐらいのシャッタースピードでも十分手持ちで撮影できる。ありたいことです。
望遠マクロほど切り取り感が強くならずに、画面の整理をしやすいので助かります。
こういった人工物が眼前にひかえると、ついつい絞り込みたくなるところですが、絞らずに。いかがですか?開放からよくもまぁビンビン写るものです。
絞り込むとこのとおり。文句無いですよね。大ボケ、小ボケ、ボケなしと、ボケ量を自在にコントロールできるマクロレンズはなんて便利なことか。しかも寄って良し、引いて良しの描写力。使わにゃそん!そん!という気にさせられます。
( 2014.11.07 )
シグマが誇る中望遠マクロレンズ。キレもボケも素晴らしいレンズです。安心の手ブレ補正もついています。
保護フィルターにも純正品がございます。大切なレンズ、保護をお忘れなく。