PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
KマウントのLimitedシリーズで初となるズームレンズ。35mm判換算で30.5-61.5mm相当の画角をカバーする2倍ズームです。発売から既に1年半ほどたちますが、このレンズの登場に驚かれた方もいらっしゃったことでしょう。ながらく単焦点レンズのみのラインナップが続き、Limitedシリーズは描写における“レンズの味”を追求していると謳っていることもあり、ズームレンズは難しいのかなと考えてみたりしていたものですから。画角の自由を手に入れ、防滴構造としたことで、様々なシーンへと果敢に切り込んでいける1本に仕立てられています。もちろん最新のHDコーティングが施され、9枚羽根の円形絞りを採用。鏡筒に加え、キャップとフードもアルミニウムの削り出しとなっており、質感はまさにLimited。どのような像を結んでくれるのか、作例でじっくりとご覧ください。
( Photography : Z II / Text : KIMURAX )
早速ですが解像力、コントラスト、ボケ味のすべてをチェックできてしまうカットからです(笑)。どれをとってみてもレベルの高い描写と感じるのですがいかがでしょうか?一点突破というよりは、トータルバランスが高い次元で保たれているという印象です。“描写の味”と言われても、なんだか曖昧模糊とした感じでしょうが、百聞は一見にしかずとはまさにこのこと。何かきっと感じるものがあると思います。
雨上がりの日差しは清々しいものです。いつもは気配を消しているような所までもが輝きだす。朽ちていくはずの落ち葉が、にわかにきらめきをとり戻した瞬間でもあります。ついつい、あそこにもここにもと動き回るうちに大きな木の下にいることも気づかず、雫がポタポタッと落ちてくることもしばしば(笑)。でも防滴構造ですから安心です。日中の雨上がり、さあ、出かけてみてください。
テレ側での圧縮感。なんだかすーっと吸い込まれてしまいそうな眺め。朱色の発色も実にナチュラルです。柱に書き込まれた文字が、引き締まって見えるためでしょうか、見つめるほどに浮かび上がってくるような感覚を覚えます。
それぞれ思い思いに、線香の煙をカラダに寄せているのでしょう。せっかく浴びるのであれば、神々しく照らし出されている煙のほうが、なんだか御利益がありそうな気がしてくるものです。ふと、手元にまで光が差している女性の凛とした後姿に惹かれてシャッターを切ったカットです。フォーカスエリアで捉えた彼女の背中。そして煙の向こう側にいる人たちのシルエット。逆光がそれぞれの輪郭を印象的に描き出しています。
ワイド端はF2.8と明るいのでそれなりに被写界深度も浅くなります。開放時のボケ味もよさそうです。
薔薇の生花を飾るなんてちょっと粋なお店ですよね。AFは素早く静か。拡大してみても花びら1枚1枚の表情までしっかりと描き込んでいます。
かなり強い日差しですがコントラストが低下するようなことは無く、高周波な落葉をものともせずに解像し、シャドーエリアもしっかりと粘っています。
ズーム域を欲張っていないためか、ワイド端からテレ端までズーム全域に渡って良好な描写を見せてくれました。AFもサクサクと決まり精度もバッチリ。手にした時の質感、そして描写、使い勝手の良さと、そのどれもが心地よく楽しめる1本だと感じました。1度手にしたらなかなか手放せない存在になるでしょう。
( 2015.07.13 )
あえてズーム倍率を低くすることで実現しているこの画質。ちょっと前後に画角を変えられる50mmと考えると便利そうですよね。
ボディカラーに合わせてシルバーのモデルもお選び頂けます。写真ではちょっと派手に見えますが、カッコイイんですよね、これがまた。
前玉にはSPコーティングが。傷や汚れに強いのですが、気になる方は、悲しいことになる前にフィルターを。