PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
smc PENTAX-D FA645 25mmF4AL[IF] SDM AW
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
ペンタックス645用レンズとしては最も広い画角を有し、645Dに装着すると35mm判換算で19.5mm相当の画角になり、645フィルムカメラで使用すると35mm判換算で15.5mm相当の画角になります。鏡胴からフード、キャップに至るまでアルミ削り出しの素材を採用しており、大変高級感もたっぷり。撮像は、広角レンズながら歪みはほとんど見られないと言っていいでしょう。重箱の隅を突くようなことを申せば、周辺は絞っても像の流れがわずかにあることぐらい。とはいっても広角レンズですから、その辺りは想定の範囲内。むしろ十分よくまとめられているといった印象の方が強く、全体をとおして見れば極めてシャープな像を結ぶ、大変優れた1本なのであります。こんもりと張り出したレンズ前面には、汚れに強いSuper Protectコーティングが施されているところもいいですね。
( Photography : K & T.Nakanishi & M.Ito / Text : KIMURAX )
太陽光と水面からの反射光による高コントラストなシーンですが、シャドー部もペタンとならずに奥行きが感じられます。細波のハイライト部も曖昧にならずに、波形を精細に描き込んでいます。
緻密な解像感がハンパないですね。豊かな階調表現でドラマティックな空の表情、そして右側奥の新雪に落ちるシャドーまでもキメ細やかに描写。高速シャッターで捉えた舞い散る雪もしっかりと解像しています。
木からしたたり落ちる雪解け水で、シャビシャビになった雪面に降り注ぐ太陽。直射日光に照り返しと、高コントラストなシーンでしたが、露出をアップしてシャドー部を引き上げてみるとこのとおり。色の滲みもほとんどなく、雪面の凹凸による陰陽から樹皮の質感までしっかと表現しています。
太陽の当たらない樹皮に雪がまだ残る午前中。派手さはないものの、静まり返った空気さえも写し込んでいるかのような画ではないでしょうか。影が深くなる屋根と壁の境目付近のギリギリのところまで、木板の質感を捉えています。
絞り開放から実にシャープな描写。包装の文字なんて当然のごとく、色褪せ、埃を被ったシャッターの質感までも捉えています。カリカリにはならないので、しっとりと落ち着いた雰囲気が好ましいです。
刻一刻と表情を変える雲。光的にはあまりいい条件とはいえないところでしたが、露出を変えたバリエーションのうちの1枚。絞り開放ながらしっかりとした描き込みです。積み重なる雲の層から木々の様子まで余すところなく捉えているあたり、恐れ入ります。
中判では超広角となる本レンズ。雄大な景色を収めるもよし、狭い屋内の撮影にもよし。1本あると、何かと使えるレンズです。