PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA 4.5mm F2.8 EX DC CIRCULAR FISHEYE HSM
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
シグマのAPS-C向け円周魚眼レンズ。その描き出す世界が特異なため、学術的な用途でもない限り、ぜひ揃えておきたい1本として挙げられることは稀でしょうが、このページを訪れた人は少なからずやご興味があるのでは?ただ、APS-C用となると、ペンタックス純正では今のところ用意されておらず、他を見渡しても選択肢はかなり限られているというのが現状。そのような中で存在感が大きいのがこちらの円周魚眼。レンズ面から180度の景色を丸呑みするとあって、開放からシャープとはいきませんが、1~2段絞れば(周辺部を除き)きりっとした像を結びます。周辺部はめちゃめちゃ歪みまくっている部分ですので、十分な画質。コントラストや色乗りも申し分なし。円周魚眼が気になっている人にはぜひ、作例を見て雰囲気だけでもまずはつかんで頂ければと思います。
( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )
円周魚眼の撮像は、缶バッチのように丸く切り取られるのが特徴ですが、シャドー(屋根)とハイライト(太陽光)によってサークルを崩してみました。主要被写体にぐぐっと接近すれば、大迫力の画に仕立てることができます。ちなみに最短撮影距離は13.5cmです。画角は180度ですから、ちょっと油断をすると自分の足元まで写り込んでしまうので注意が必要ですが、これだけ大勢がいるシチュエーションなら気にならないでしょう。
円筒状の空間を丸写しするにはもってこいです。螺旋階段沿いに飾られた龍が、舞い上がっているように描き込まれています。
丸には丸をと、舵を中央に据えてみました。主要被写体を接写すると同時に、周囲の状況までも写し込めるのが円周魚眼のいいところですよね。
磨きこまれた銀の玉に映り込んだような、みずみずしい風景。じーっと見ていると、何か新しい天体のように見えてくるから不思議です。レンズ特有のギミックについ気を取られてしまいますが、大変しっかりとした描写をしているあたり、相当凝った遊びにもとことん付き合ってくれそうです。
使い方は限られますが、面白い世界ですよね。このレンズに手を出すとなると、相当の手練と思われます。使いこなしてあげてください。