ニコン・インタビュー

前回のフォトキナ2012に引き続き、今回のフォトキナ2014でもお話を伺うことができました。筆者の個人的な印象ですが、ちょうど2年前のD600あたりから、ニコンのデジタルカメラの画作りが1段上のステージに入ってきたと感じていたのです。このあたりに理由について、新しいモデルをキーにいろいろとお話を伺ってみました。※文中、特に表記が無いコメントは山本さんに頂いたコメントとなります。

( 聞き手:K )

ニコン D810で感じる次元の変化

Nikon D810 実写レビュー

2年前にちょうど山本さんにお話を伺って、D600のリリース時期でした。今回まずD810のお話を伺いたいと思います。本日はどうぞ宜しくお願いいたします。

そうでしたね。宜しくお願いいたします。

D810は、私がレポートを担当しました。まずファインダーのクリアさにびっくりした。本当に久しぶりに出会った感じです。ファインダーを覗いて「お!」と感心するということは滅多に無いのです。

ありがとうございます。D810はD800と画素数は変わりませんので、私たちにはまだまだ取り組まなければならないことがあるなと考えていました。たとえば、今お話くださったファインダーです。それと画作りをもう一度やり直そうと考えました。あとかなりの画素数ですので、撮影のシチュエーションによっては機構ブレが結構気になる場合があります。この3点を改善する方向で開発を行いました。仕上がってみると、その進化ぶりからD810という名前ではなく、もっと違う名前でよいのではないかと思うほどです。

シャッターBOXあたりの動きも良いですね。あの切れの良さというか。

昔からご愛用頂いている方からいろいろなご意見も頂くのですが、あの作動音の小ささはなかなか良いと思うのです。

一眼レフのシャッター音は、元気な音でも精密感があれば高揚させてくれるものがありますが、撮影のシチュエーションによってはもう少し音が小さいほうがと思うことが少なくありませんよね。私はできる限り小さな音で、しかも良い音が好みです(笑)少し画作りの話を聞かせてください。D4、D4Sと使ってきて、D4Sで色合いが随分変わり、PYでもよく使う表現なのですが、1ピクセル単位の描写力、つまり、くっきり感・はっきり感がぐっとよくなりました。その流れでD810を拝見して、まあ同じような絵作りの方向なのかなとテストしてみました。D810の方が画素数の多いせいか、余計にそれを感じました。

そうですね。おっしゃる通り、画素数を解像度ではなく、どちらかというと諧調の方に表現力を増やそうと、色のノリや抜けの良さ、締まりの良さと、画作りに活かそうというのが私たちの方向性です。

D600の際に確か似たお話しましたよね。D810でさらに一歩進んだ印象です。D4のような一桁のモデルと、D810のようなモデルを両方使ってみて思うのですが、一桁の方はわりと画に厚みを感じます。一方、D810は厚みを感じると言うよりは、たとえるとプロフェッショナルなレタッチャーがギリギリのラインまで画を追い込んで、しかもそのプロセスを感じさせない、そんな印象の画です。これはネガティブな話ではなく、かなり高度にチューニングされた印象です。

"作り込む"という表現がむずかしいのですが、脚色的な形ではないのですね。ただ本当に画作りとしてトーンカーブから随分見直しをしました。やっぱりそのEXPEED (エクスピード)という新しいエンジンのD4Sから、かなりよい具合にまで持ち込めまして、ホワイトバランスの向上などは、まさにそうなのです。

チューニングというと加飾しているように受け取られがちですが、いわゆる「調律」です。つまりデータを効率的に扱い、上手くハンドリングして仕上がりに繋げる、その純度が素晴らしく上がったという印象です。撮ったままの画が一番良いという。正直なところ、ニコンさんのカメラで、実はそういう経験があまりなかったのです。少しデジタルのパブリッシュに関するプロセスや画作りの勉強をして、丁寧に現像処理をすると俄然良くなるのですが。例えば黒をもうちょっと締めた方がいいとかハイライトもうちょっと飛ばした方が良いとか、色相を少し転がした方が良いなど、そんな印象があったのです。ところが、D810に関しては本当に撮ったままが一番良いなあと感じました。ピクチャースタイルで、フラットを選択すれば手を入れられる素材性の高い画が得られ、スタンダードだと、手を入れる必要を感じないという。

そうですね。お話しくださったようなことを実現できるように、センサーなどが持つパフォーマンスを最大限に引き出し、エンジンなどを含めて総合的なバランスが上がってきたと思います。

D810の反響はいかがですか?

おかげさまでご好評いただいています。

D810で一番大きく変化したなと感じるのは、色合いです。緑色が妙な方向に転ぶことがあるのですが、D810ではそのあたりが改善されたように感じます。もちろん認識はされていたでしょうし、直せなかったのか、または直そうと考えておられなかったのか、このあたりいかがでしょうか。

なかなか直さなかったという部分はありますね。プロのフォトグラファーのご要望に沿うとミックス光での使用が凄く多いのです。そこをケアしつつ、なおかつ日中で綺麗に色を出すとなると、ほぼ90点以上の内容となるのですが、あるシーンで1つだけ色が転んだり。そんな面で緑色は結構苦手だったかもしれません。D4Sあたりから、エンジンとあわせて、そのあたりを上手くコントロールできるようになりました。一般的にデジタルの場合、緑や紫の再現が難しいのはありますよね。

なるほど。デジタルが苦手といえば、薄い水色なども難しいのではないかと思います。

どこかの色合いを求めて平均点を上げ、推し進めていくと他が転んでしまうわけです。そのあたりを上手くコントロール出来るようになりました。

D810でタングステンの画が抜群に良くなりました。タングステン環境下の色については、ニコンさんがわりと苦手としていた領域かなあと思うのですが。

タングステン結構苦手でしたね(苦笑)

妙に黄色に転んだりとか。

やはりミックス光で合わせるのは難しいです。緑の再現と同様で、どうしても補正すると転び方が気になっているところはありました。

転ぶからホワイトバランスをデーライトに固定して撮っていました。結構生真面目に追従するような制御なのかなあと想像していますが。

そうですね。どちらかというと、そのあたりが悪い影響を与えている面もあります。追従しない方が良かったりするんですよね。今回エンジンとあわせてかなりバランスがとれるようになりました。粘れるようになったと申しますか。

2年前にガンマが立てられるようになったというD600の仕上がりに感心して、階調がかなり出せるようになったんだなあと感じたのですが、いまラインアップを見渡すと、そのD600もD610となり、しかも一番古くなっているという事実に驚きますよね。しかし、D810に関しては、D4Sを使っている私が正直羨ましい出来映えだと思います。D800とD4あたりだと結構差を感じたのですね。D800はツボにはまると面白い画を叩き出すのですが、わりとピーキーで扱いこなすのが難しいジャジャ馬的な要素がありました。D4はその点ファインダーを覗いてシャッターを切るだけで、もうそれだけで納得の画が撮れる。つまり、D800はかなり趣味性が高いというか。それがD810だと「え?」と驚くパフォーマンスです。しかも撮って出しで十二分なクオリティ。D4Sよりも画素数が倍以上あるため、それ相応のメリットが画にあらわれているんですよね。欲しい、しかし2台も持てないので、一緒にして欲しいと(笑)

私たちも新しいモデルを出す時は、その都度進化したものは積極的に出して行こうと考えています。そのときに出せるものはどんどん出して行こうと。

なるほど。D810については、絶対的なデータ量という意味合いで画素数の関係もあると思いますが、画にもの凄く立体感を感じます。このあたりについて解説して頂けないでしょうか。素人ながら、シャープネスや明瞭度のコントロールを、全体は全体、局部は局部で、それぞれかなりコントロールされているとも感じますし、あと全体的なバランスがかなりのレベルで追求できているというか。

そうですね。おっしゃったこと以外にもノイズリダクションの使い方などが随分変わりましたし、やはりエンジンとそのまわりの影響が大きいのです。露出の限界などでも、たとえば今回はISO 64までもっていますので。そんな意味では撮影領域も広がると思います。定点観測的に撮影して見比べると変わらない、なんてところもあるかもしれませんが、全体のバランスで言うとかなり変わっています。

少し脱線した話になりますが、D810のような高画素のセンサーをD4Sのような一桁台のボディに載せるようなことは、もう行わないのでしょうか。

私たちはそれぞれお客様の用途が違うかなと考えています。それに、たとえばD810みたいな画素数のもので秒間10コマ撮影すると、そんなパッケージでパフォーマンスを出すことができれば、それもありだと思います。ただ、まだ犠牲にしなければならないことが出てきます。ならば、2系列に作ったほうがいいかなと考えています。あとは動画をどう考えるかだと思います。動画に注力していく考え方もありますが、私たちはどちらかというと静止画の中でうまく動画をと、延長線上に動画を考えています。これは動画を軽んじているというよりは、写真を大事にしたいなと考えているのです。


D750というモデルの立ち位置

Nikon D750 実写レビュー Nikon D750 実写レビュー

ちょうどこちら(フォトキナ会場)に向かう最中でしたので、まだよく情報を見ることができていないのですが、次はD750についてお話を伺いたいと思います。モデルの位置としては、D610の上位モデルとして捉えればよいのでしょうか。

楠本さん:
はいその通りです。D810、D750、D610といった形になります。

センサーまわりというのは、全くの新規開発となるのでしょうか。

山本さん:
はい。D610と画素数は同じですが、センサーとしては多少変えています。D750は、どちらかというとカメラのパッケージングとして、チルトの液晶を入れたりフルサイズを機動力がある形でハンドリングできる形で仕上げています。それに、AFも51点、D4シリーズ譲りです。

ローエンドからハイエンドまで、かなりモデルとしては充実している中、D750のような機種をリリースする意図についてお話伺えますか?

楠本さん:
見方によってはFXセンサーのモデルがたくさんあるように見えるのですが、D610、D750、D810あたりのモデルに興味を持っていただけるお客さまは、大変趣味性が高い方が多いと思うのです。カメラにしても、いろいろな種類をお持ちであったり。D750は、D610やD810と比べて、Wi-Fiやチルト液晶が入っていたり、そのあたりの要素を盛り込んでニーズに応えたいと考えたモデルですね。しかし、お客さまからすると少し迷いどころかなという面は感じます。

フルサイズでWi-Fiやチルト液晶が入るのは初めてですよね。

楠本さん:
外付けのワイヤレスWi-Fiなどは、D4Sなどにオプションで設定がありますが、ビルトインされていると、手にされたお客様も使い方や撮った後のご活用方法なども変わってくると思うのです。

なるほどなるほど。そう聞くと魅力的に聞こえてきますね(笑)しかし、さきほどお話になった通り(少し迷いどころ・・・)私も、ぱっとD610とD750の違いは何だろうと、あからさまには掴めなかったのですが、そんな新モデルの突っ込み方と申しますか、なかなか勇気がいるんじゃないかなと思うのです。モデルヒエラルキーがしっかりした中で、その周辺にあるニーズを一つ一つ汲み取って、新たに差し込むわけですよね。

楠本さん:
確かにそうかもしれないですね。

画素数だとか、わかりやすいインパクトのある違いでは無いわけです。個人的には、スペック云々はもちろん大事な要素ですけれど、撮影を行うカメラというシステムトータルのパッケージングの出来映えが何よりも重要だと思うのです。ただ、スペックのように見た目のわかりやすさが無ければ、プロモーション的に、そしてセールスに繋げていくという面で、どうなんだろうという迷いが出ないかなと。そんな意味で勇気が必要じゃなかったかなあと思ったわけです。しかしながら、このモデルの計画は何年も前からあったわけですよね? 開発・生産のタイムテーブルなどを考えれば、ニコンさんのような規模の会社で、そんなにぽっと出せるものじゃないですよね。

楠本さん:
そうですね。ただWi-Fiなど、もうコンパクト含めて世の中の流れがきていましたし、一眼レフもやっていかないといけない。勇気が必要といえば必要ですが。ただ先ほど申し上げたように、このあたりの機種にご興味あるお客様は、写真に思い入れも強いでしょうし、スマートフォンなどの新しいデバイスに対する感度も高く、皆さん使われていますから、その辺りでのコネクティビティーなども、ずっと求めてこられるだろうなとは思っていました。販売の現場などで、機種数が多くて大変になるかもしれないのですが(苦笑)私たちはどちらかというと、選択肢が豊富であることは大事だと思っています。本当のエントリーのところのD610にするか、それともいろいろと搭載された高機能なD750にするか。私たち含めてですが、買い物するまでがまず楽しいと思うのです。そんな面では悩まれるだろうなと思います。ただ、よい意味で悩まれるような環境があるというのは、私は非常に大事かなと思っているのです。思い入れて選んでいただいた製品は、ご購入後も実際に楽しんで使っていただけるのではないかと思いますね。

山本さん:
社内もD810派とD750派で分かれているのです。
私は、当然ながらD750が出ることはわかっていますが、選んでD810を買っちゃいましたが(笑)

なるほど(笑)D600、そしてD610とエントリークラスのフルサイズ機で培い積み上げたものがあって、そこに少し新しい次元の方に入っていったD810やD4Sで得られたもの、下からそして上からの要素が、うまくシンクロした雰囲気でしょうか。

楠本さん:
そうですね。言い方は悪いかも知れませんが、いいとこ取りの機種かもしれません。

アーキテクチャ的には、具体的にどのように組み合わされているのでしょうか。

楠本さん:
エンジンは基本的にEXSPEED4でD810と同じです。エンジンプラットフォームはD4やD810から来ています。機構的には、ゼロベースで新規に開発設計したモデルです。



Df について

Nikon D750 実写レビュー Nikon Df 外観レビュー Nikon Df 実写レビュー Nikon Df 実写レビュー

次はDfについて伺いたいと思います。2年前のフォトキナの際、Mr.ニコンの後藤さんにDfのようなカメラを出して欲しいと言いましたら、勿論なにも詳しい話はおっしゃらないのですが「まあまあまあ」と(笑)私ども、鉄(カメラ)好き、何でもかんでもマニュアル好きとしては、ニコンF2のようなデジタルカメラを「いつでも」出して欲しいと思っています。まさかDfみたいなものが出てくるとは思ってなくて、あんな話をしていたのですが。プレスを見た時に「あ!」と(笑)

はい。困っていたのです。どのように答えようかなあと(笑)

(一同爆笑)

そうなのですか。それは申し訳ございませんでした(笑)それで、リリース後の反響はいかがでしょうか。

おかげさまでご好評いただいています。一般的なお客様がDfを使われるかというとちょっと違うと思いますが。私たちが思っている以上に女性の方にも買っていただいているのです。意外なことに、ほとんどシルバーなのです。

そうですか! シルバーボディを首からさげて・・・

すばらしいですよ

ニコンのMF一眼を首からさげている女性を想像すると黒を選びそうなものですが。それはちょっと驚きです。しかしDfは、オートニッコールあたりの時代のレンズの救済としてはすごく良いモデルですよね。

変な話、中古カメラ屋さんに必ずDfが表に出て、レンズと並んでいます(笑)

私はたしかDfが出た時に、オートニッコールの58mmを銀座の中古屋さんに探しに行ったのですね。「お客さんで今日で3人目だよ、今日Dfぶら下げてレンズ買いに来た人」と言われました(笑)

その辺りのレンズをお使いの皆さまには、本当に喜んでいただけました。古いレンズがまた脚光を浴びていたりするのです。似合いますよね、あのボディーに。

全体のモデルバリエーションの中ではDfは結構異端児だと思いますが、出荷数の割合的にはいかがでしょうか。

どちらかというと長いスパンで考えていますので、そんな意味だと、大幅に他と差が出てくるわけではないのです。もともとDfというカメラは、長く使っていただきたいと考えています。

出してみた結果全然悪くないといった印象です。

やっぱり反響がすごかったです。後藤が冗談で「売れなきゃクビだ」と騒いでいましたが(笑)。

後藤さん面白いですよね(笑)他社さんのインタビューの際に「後藤さん最近見ないなあ」なんて話を聞きましたが、売れたなら理由がクビというわけではなさそうですね(笑) Dfが好評だったとすると、例えばオートニッコールの時代のようなレンズをだそうとかいう話は無いのですか? 例えばMFのレンズを作ろうとか。

色々とアイデアレベルはやっています。Dfのようなカメラに対しても。

正直なところ、AFベースのカメラでは、MF時代のカメラと比較してフォーカシングが厳しいと思うのです。Dfのファインダーは凄くよく出来てると思いますが、MF時代のファインダーと同じかといえばそれは違うわけですよね。逆に割り切って、MFのカメラを作ってしまう気はありませんか? 後藤さんに「次どうでしょう?」と伝えておいていただけないでしょうか(笑)

はい、わかりました(笑)

できれば、もう少し薄くて例えばニコンのF2のような雰囲気で。

そうですね。 しかし重さはF3ぐらいの重さなんですよ。

結構軽いのにびっくりしました。

動画はどうですか?動画は思い切ってライブビューだけにしたのですが。

カメラの性格上、個人的には不要だと思います。

動画機能を省くことで、本当に撮影枚数すごく伸びています。


動画撮影機能について

動画撮影機能の話がでましたので・・・たとえばD810ですが、あの画素数でムービーの映像をハードで作ることを考えますと、ぞっとしますね。PCで処理している時の負荷を思えば、よくもまああの小さなボディの中で生成しているもんだといつも感心するのですが。

大変です(苦笑)。D810はムービーもよくなっていまして、結構ムービー側のお客様にもご愛用いただいています。

あれだけ画素数があってムービーが撮れるとなると、浅い絞りで撮ってみたいとは思いますよね。

少し足らないのですが、コンテンツ的に8k相当ですから、8kでコンテンツを作るとなると、もうD810ぐらいしか無いのです。

しかしあの画素数で開放で撮られるとなると、レンズもたまったものじゃないですね(笑)

そうですね。結構ムービーのお客様は開けて撮られるケースが多いのですが、実絞りをすすめさせていただいています。やはり焦点移動してしまうので。ほしいときの絞りで撮るのがおすすめです。撮影シーンを拝見していると、開けてそこから絞ってと撮影されるのですが。

しかし、映像の世界でデジタル一眼レフでムービー撮影が可能になり、最大のインパクトはあの大きなセンサーで、明るいレンズ使えるってことです。やはり皆さんとりあえず開けたいですよね(笑)

(焦点移動の話をすると)説明すると皆さん「おーそうなのか」と(笑)


ミラーレスについて

最後にミラーレスのお話というのは2年前にも若干お聞きしたかなと思うのですが、やはりマーケットもそれなりに大きくなってきて、あれだけ色々なバリエーションのモデルが出てきました。2年間経ってみて、市場の風景も含めて御社のお考えを伺いたいのです。

市場的な話を、私が言うのは変な話になってしまいますが、ミラーレスという市場が確立しているかと言えば、個人的にはそうは思えないのが現状です。一眼のカメラの中でカテゴリーされていると思うのです。私たちは、ニコン1について元々違うカテゴリーで作っているつもりです。私も持っていますが、レンズを含めて小ささと軽さが魅力で、そこが私たちはまだ上手く訴求できてないと感じます。ミラーレスといわゆる一眼レフの一番の違いは、ミラーボックスが無いということですが、一番大きな差になってくるのは当たり前の話ですが動画撮影の作法などですよね。ライブビュー撮影や動画撮影の作法など、ミラーレスのようなカメラスタイルというのは面白いと思っています。1つのカテゴリーとしてどうなるかな?という部分は、私たちもニコン1を出していますが、カメラの形として、どんな形が一番正解なのかという部分については、正直なところ未だわからないといったところです。そして、私たちも模索していかなければならないと考えています。

私ども撮り手としては、カメラのダウンサイジングという意味合いでは、これほどありがたいことは無いのです。あとは、いわゆる一眼レフほどのレンズの選択肢だとか、カメラシステムとしての完成度だったり、このあたりが充実してくれると本当に嬉しいのですが。

薄型というのは、やはりお客様に対するベネフィットだと思っています。薄型化のキーになるのが、やはりフランジバックの問題ですので、ミラーレスというのも1つの解かなとは思っています。

ニコン1を出されて、いろいろとマーケティングの話も、テクニカルな話も色々とノウハウが積み上がって来たと思うのですが・・・率直かつ単純、個人的にそう感じるだけというお話ですが、今後センサーは、やはり小さくなっていくと思っているのです。その辺についてはどうですか? ニコン1含めての見解を伺いたいのですが。

それは同感です。私は営業では無いのですが・・(笑)私たちは、1型(センサーサイズ)についてバランス的には将来良いと思っています。レンズの大きさを考えても。ニコン1に関しては、なんだか少し上手くジャンプアップできなかった印象があるので、もう少しアプローチなどいろいろと考えていきたいなと思っています。

ニコン1も、出た当初に比べると格段に画がよくなった印象です。

ありがとうございます。ニコン1 V3はきれいですよ!

驚きました。なんだこの変わり具合は!というほどでした。

やはりエンジンの影響が大きいと思います。

これからカメラシステムを新規に持とうという方ほど、こんな小さなシステムで完結できると幸せだろうなあと思うのですが。

ニコン1は、まだ私たちがやりきれていない、やり残している事がたくさんあるのではないかと思っています。ミラーレス云々という次元の話では無く、レンズがやはりあそこまで小さくコンパクトに出来るということはニコン1の魅力でもあります。たとえばAPS-Cなら、どんなにボディーを小さくしてもレンズのサイズには限界がありますので。

すごく可能性があるパッケージングだと思うのです。ソニーさんのクオリアというブランドのカメラを覚えていらっしゃいますか? 少しやるのが早過ぎたと思うのですね。いま、あんなモデルが出たら、すごくうけるんじゃないかなと思うのですが。

そうですね。そんな意味で言うと、アップルさんなどはその辺りが実に上手いですよね。いまある技術を昇華させるのが実に上手いと思います。

そうですね。時流の頭をくっと掴んで、物として具現化する力がズバ抜けている気がします。高級コンパクトがあれだけ出てきて、できる限り小さくてよく写って、いわゆる一眼レフ以外でも、きちんと撮れる、そんな風なコンセンサスはある程度市場に形成されていると思うのです。

やはりレンズなのです。明るいレンズをどんどん出して。もう一回私たちも頑張ろうと思っていますので。

いいですね!ぜひ宜しくお願いします。

AF性能もアピールして行きます。弊社の役員達もD800あたりを持っていたりするのですが、「実は重くてさあ」って。ニコン1持ってるんですよ(笑)あのパッケージングですので、鳥や飛行機を撮られるような方には、高い評価を頂いているのです。バードウオッチングなんかではニコン1を本当によく使って頂いています。あとはフランジバックが短いため、色々なレンズ付けられますよね。

そうですよね。比率がすごい事になりますから、ニコン1にマウントすると。

綺麗なセキレイの写真なんかを、よく送ってくださる方が居るのです。本当に綺麗に撮れてますよね。「何でお前もっと宣伝しないんだ」「すみません」と(苦笑)。

やはりAPS-Cあたりに行こうという気はあまりないですか?

ニコン1でどうこうはあまりないのですが、カメラシステムとしてレンズを含めてどのような光学フォーマットを入れてという部分はいろいろと考えています。いずれにしても小型化でクオリティーの高いカメラを作ろうというのが一つですね。

ありがとうございました。ぜひ今後も期待しております。




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( 2014.11.26 )




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