PHOTO YODOBASHI
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Tokina AT-X 116 PRO DX II 11-16mm F2.8 (IF) ASPHERICAL
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
35mm判フルサイズ換算で16.5-24mm相当の超広角域にのみターゲットを絞った、ソニーAマウント(APS-C)用ズームレンズです。ズーム倍率1.5倍と控えめな数字となっており、ズーム倍率よりも画質を重視したことが伺えます。開放値は全域でF2.8と明るく、開放から十分な解像感もありますから、ナイトシーンの撮影にも積極的に臨めます。ワイドズームで気になりがちな周辺光量落ちや歪曲は僅かにありますが気にならないレベルで、その特性をきっちり把握して構図を決めれば伸びやかで素晴らしい仕上がりを得ることができるでしょう。また、AFセンサーにはGMRセンサー(高精度磁気センサー)が搭載されており、精度の高いフォーカスに貢献しています。実際に使ってみると合焦にストレスを感じることはほとんど無く、気持ちよく撮影に集中できました。本レンズはソニーAマウントユーザーにとって、超広角ズームを選ぶ際に有力な選択肢になってくるでしょう。
( Photography : T.Takahashi & M.Ito / Text : T.Takahashi )
電車の車窓より望む風景が白飛びしないようにと露出を決めましたが、室内の階調も潰れることなく操作パネルなど機器の質感も自然に捉えています。狭い車内で左右の窓からの風景を取り込めるのは超ワイドならではですね。
夕陽を反射する線路。広角ならではの気持ちのよいパース感が出ています。僅かにゴーストが見られますが、この程度ならむしろ日没の雰囲気を感じられ、写真の味付けになっていいですよね。
テレ側もフルサイズ換算24mmと十分ワイドですから、こういったリズミカルな足元だけを切り取りたい時には有効ですね。逆光でも白飛びせず、ハイライトとシャドー部の階調が崩れる事無く見事に描ききっています。
ワイド端、開放で捉えた一枚です。最短撮影距離30cmを活かし被写体にぐっと寄れば、パースの効いた超広角ズームならではの作品に仕上がります。前ぼけも自然なうえに、背景のぼけも柔らかくていいですよね。
ライトアップでの夜景撮影において、暗部の階調も自然に表現されており、新しいコーティングの効果が見てとれます。F2.8の明るい開放値のおかげで、手持ちでも安心して撮影できました。
深い青空をイメージ通りに写し出すのは簡単なようで難しいものです。アンダーに振った撮影ですが黒ずむことなく深い色を出してくれました。おかげで、船の白さも引き立っていますよね。
標準ズームのワイド端もフルサイズ換算24mmスタートとなって久しいですが、それと合わせて持ち出す超広角ズームは、このレンズのようにテレ側が換算24mmだとぴったりですね。超ワイド域に特化した画角ですので、今日はこれ一本と決めて出掛ければ、きっと思いがけない画をものにできるはずです。そしてなんと言っても、このレンズの魅力はやはり開放F2.8通しというところです。F3.5やF4はじまりのワイドズームと比べると僅かに一絞りほどですが、その差は大きく、ぼけ味も含め一段違うステージが待っています。画質はご覧の通り開放から素晴らしく、優秀なコーティングがもたらすクリアな描写も見事です。さらに大三元レンズにして抜群のコストパフォーマンス。手振れ補正内蔵のソニーAマウントボディと合わせて、夜の風景も不安無く丸呑みしてくれます。ぜひこの超ワイドと出掛け、今まで捉えたことのない新しい世界を手に入れてください。
( 2015.08.12 )
ソニーAマウント向けAPS-C専用・超広角ズーム。2型となった本レンズは、非球面やSDレンズに加え、新しいコーティングや静粛性の高いモーターを採用し、これまで以上に頼もしいレンズに仕上がりました。
レンズの写りに拘る方は、フィルターも抜かりなく。