PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di USD Model A007
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
F2.8通しのフルサイズ用大口径標準ズームレンズ。レンズ構成には、特殊硝材である異常低分散レンズをはじめ、ガラスモールド非球面レンズ、複合非球面レンズ、高屈折率レンズを使用するという力の入れようです。描写は、絞り開放からフォーカス面ではキリッとシャープな像を結び、ボケ味もしっとりと馴染んでいく柔らかさがあります。質実共に納得のいく仕上がりをみせてくれるわけですが、純正レンズに比べるとかなりリーズナブルに入手できます。となると俄然気になる存在ですよね。フルタイムMFも搭載しており、ポートレートや近接撮影時にもスムーズにフォーカスの追い込みができるとあって、なかなか使い勝手もよろしい1本なのであります。
( Photography : M.Ito / Text : KIMURAX )
美しく毛先が照らし出された穂。大地からすくっと延びている様を捉えるべく、ローアングルからワイド端で撮影しました。青い空と白い穂。光源と周辺落ち。それらのコントラストが強く、印象的な1枚に仕上がりました。
F2.8通しの明るいレンズですから、テレ端ともなればボケ量もなかなかのものです。開放ながら、ピント面での描写はしっかりとしているのがわかります。
こちらもテレ端の画ですが、ちょっと絞り込むだけで目に見えて解像感がアップします。
それにしても開放からよく切れるものですね、画面中央は特に。下校時間のけだるい太陽の光りを上手く捉えながら、この立体感のある描写。なかなかやってくれます。
絞り込めばカリカリにはならないものの、ぴりっとした直線を描き出してくれます。厚いガラス越しにわずかに見える室内、ガラス面への映り込みなど、きちんと丁寧に再現されており、好感が持てます。
ガラスで屈折した光りがサーチライトのように錯綜する、幻想的にも見える空間。1階のフロアを歩いている人には、あまり視界に入らないのでしょうか。意外とすんなり通り抜けていくものですから。同じ場所でも、高さや角度によって見えてくるものがガラッと変わってくることもあります。さあ、どこからフレームするか?ズームレンズでも自分の足で歩き回ることが、やはり大切なのです。
分厚い雲が、見る見るうちに空を覆いだしました。その様を、鈍く映し込む凪いだ水面。なんだか緻密に書き込まれた油絵のようも見えてくる、重厚感あふれる画に仕上がりました。十分にシャープではあるのですが、硬すぎない開放の描写が功を奏しているのでしょう。
徐々に赤味が増していく夕陽が放つ、柔らかな茜色。色とりどりのコンテナ。色乗りも派手にならずに、見たままの印象をしっかりと再現しています。ズーム倍率を欲張っていないからでしょう、ワイド端からテレ端までガシガシ使っていける描写。これ1本さえあれば、大抵のものはこなせてしまうという頼もしさはマルですね。
( 2014.11.06 )
大口径標準ズームレンズ。リーズナブルなプライスながらも、特殊レンズをふんだんに使い、高いレベルの写りを実現しています。
大口径の前玉をしっかり守ってあげましょう。