PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SONY α6500 / SHOOTING REPORT
先代のα6300が出てから一年も経たないうちにリリースされたソニーの新型APS-C一眼、α6500。先代の高速高精度AFや高精細2400万画素センサーなどはそのままに、待望のボディ内手ブレ補正を搭載し、AF/AE追従で毎秒最高約11コマの連写を実現した上に、タッチパネル操作も出来るとのこと。ボディ内手ブレ補正は「光学式5軸」。OSS非搭載レンズはもちろんアダプター経由で様々なレンズを使用する際にも作動し、OSS搭載レンズ使用時はボディ、レンズ双方の補正効果を最大限に引き出してくれるというのですからこれは期待できます。しかも連写が毎秒11コマなんてもうAPS-Cどころかフルサイズのフラッグシップ機と肩を並べそうな勢いですよね。とはいえこれらの進化が体感的にどうなのかが肝心ということで、寒風吹きすさぶ琵琶湖へカメラを持ち出し確かめてみました。結果はこの一枚に如実に表れています。このカメラで撮るまで、サギが時々くちばしを開けながら飛ぶこと/その時は常に羽が下の方を向いていることを知りませんでした!このカメラ、ただものではありません。
( Photography & Text : TAK )
喰らいついたら離さない! 執念のAF
AFのスピードを最速に、EVFフレームレートを120fpsに、連写速度を「Hi+」(11コマ/秒)に設定。本機の最速パフォーマンスでの連写を試みました。ターゲットはカモの群れ。シャッターを半押しするや否やカモの群れ全体にフォーカスしたかと思えば、前後の被写体に誘惑されることなく追尾を続けます。そしていざシャッターを全押しすると機関銃のように「ダダダダダダダ…」と機関銃のように連写が始まり、その感覚はまるでフレーム内の世界に写真を次々と貼り重ねていくようです。先代譲りの425点像面位相差AFセンサー、0.05秒の高速レスポンス、「高密度AF追従テクノロジー」。これらが、こんなに速いコマ速でもしっかりと本領を発揮しているからこそ連写時でもシャープなピントが得られるのです。しかも「被写体が単一である/サイズが大きい/動きも予測しやすい/背景も単純」というおあつらえ向きの状況下であればまだしも、その真逆の状況でですからね。もう天晴れと言うほかないでしょう。
続いて同じカメラ設定での連写カットをスライドショーでご覧いただきましょう。サギ、カモの群れ、水面を横切るカモと続きます。それぞれ約90カット、40カット、40カットから10〜20カットほど選んだものをつなぎ合わせています。連写速度はベストショット選択の幅に直結することを改めて思い知りました。バッファの大幅な増量により100コマを超える連写が出来てしまうわけですから、1枚の静止画だけでなく、複数枚からなる一連のシーンごと選ぶ余裕すらあるのです。4K動画から800万画素の静止画を抽出することも出来ますが、このコマ速でフル画素出力が出来るのがこのカメラの真骨頂。どのカットを選んでも2400万画素の高品位な画像が手に入ります。
質感やトーンのリッチな再現力は先代譲り。レンズ性能の恩恵もありますが、センサーや画像処理などカメラ側の能力が高くなければ実現できない画です。連写はもちろんのこと、じっくり撮りたくもなる懐の深さ。これもフラッグシップの資質というものなのです。
タッチパネルではAFポイントをダイレクトにセレクト可能。ローアングルでの撮影に威力を発揮します。なおタッチパッド機能を使えば、ファインダーを覗きながらでも右手親指でスワイプし自由にAFポイントを動かすことができます。こんな細かい操作の部分まで地道に改良を重ねてくるスピリットには敬意を評します。
あえてシャッター速度を落として連写してみましたが、こういう撮影でも選択肢が多いに越したことはありませんよね。
APS-Cサイズのセンサーですから、フルサイズ用のレンズなら焦点距離は1.5倍に。超望遠域を使って「切り取る」撮影も気軽に楽しめます。
コイツは使える! ボディ内手ブレ補正
フルサイズ換算24mm相当の画角での手持ち撮影です。現場のすぐ後ろは国道で大型トラックがひっきりなしに通り過ぎていましたが、0.5秒までブレることなく撮影できました。トラックからの風圧も考慮するとこの数字は期待以上です。現場には他のカメラマンも大勢いてみなさん三脚をお使いでしたが、その中を手持ちで撮るのは実に快感でした。
このリアルな大根の描写。甘みが増している様子まで伝わってきて、思わずかぶりつきたくなります。
良いカメラとは?それはこんなショットがさらっと撮れるカメラのことをいうのです。
このカメラでなければ絶対に撮れない写真がある。
α6300が公道用の乗用車だとしたら、α6500はα6300を極限までチューンしたレーシングカーとでもいいましょうか。そのチューン内容も連写能力といい手ぶれ補正といい、いずれも期待以上の仕上がりでした。もちろんその分燃費は落ちます。連写やAFやEVFのフレームレートなどをハイパフォーマンス側に設定して撮る際は、バッテリーのスペアは最低でも2個はあった方が良いでしょう。「そこまでして連写できなくてもいいでしょ」って?普段連写を使わない私もそう思っていたのですが、このカメラでなければ撮れない瞬間を目の当たりにしてしまうと最早「ぐう」の音も出ません。写真を撮るのはあくまで人間で、その出来も腕次第だということは百も承知。しかしその一方で、カメラの性能があって初めて撮れる写真も厳然と存在する。そんなことを気づかせてくれたのがα6500というカメラなのです。カメラの設定が2種類登録できるようになったのも嬉しいポイント。コマ速やAFの機敏さやEVFのフレームレートを任意に設定でき、状況に応じてカメラのパフォーマンスを即座に変えられます。グリップが先代よりも深くなっていて長玉装着時でもしっかりとカメラをホールドできるのもありがたいですよね。こういった細かなアップデートの他にも魅力がいっぱい詰まったソニーのAPS-Cフラッグシップ一眼を、ぜひ体感してみてください。今まで撮れなかった瞬間が待っています。
( 2017.01.06 )
連写でガンガン撮るもよし。一枚一枚じっくり撮るもよし。スピードとパワーを兼ね備えたコンパクトAPS-C一眼で一瞬のドラマを手中に収めてください。レリーズ耐久性20万回を誇るシャッターのソリッドな感触も気分を一層盛り上げてくれますよ。
ボディの保護、グリップ性の向上はもちろん、ドレスアップ効果もてきめんです。
現時点でEマウント最長の焦点距離300mmをカバーします。α6500ボディに装着すれば35mmフルサイズ換算450mmの超望遠撮影が可能に!「G」の表現力を存分にお楽しみください。
F4固定で、35mmフルサイズ換算24mmから105mmまでと常用域を十二分にカバーする上にツァイスならではの深みのある表現力も楽しむ。常用レンズとして王道のチョイスです。
最大書き込み速度100MB/s。連写を多用する方はこれくらいのものをどうぞ。
このカメラのポテンシャルを存分に発揮させるには予備バッテリーは2つは必要でしょう。こちらはバッテリー「NP-FW50」とチャージャー「BC-TRW」がセットになったお得なキット。2セットあれば2つ同時に充電できちゃいます。
α6500はUSB充電もできますのでモバイルバッテリーもあれば鬼に金棒。こちらは家庭用コンセントに繋いで充電できるスグレモノ。明るめの色はバッグや防湿庫内で見つけやすいので、ホワイトをオススメします。
車で移動する方は是非。USBケーブル経由で運転中でもカメラを充電できます。