PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Canon EOS M3 / SHOOTING REPORT
キヤノンのミラーレス一眼「EOS M」が、いよいよ三代目の「M3」として登場しました。コンパクトデジタル並みの扱いやすさを有しながらも、デジタル一眼に迫る画が撮れるカメラとして人気を博してきた「EOS M」シリーズ。今回のアップグレードでは、従来のコンセプトはそのままに、よりデジタル一眼レフを意識した操作性と画質になり、キヤノンの「本気」を感じるモデルとして仕上がっています。握りやすくなったグリップ、操作性が向上したダイヤル、チルト式になったモニターなど、カメラを操作するということをとても意識したボディデザイン。有効画素数約2420万画素のセンサーと画像処理エンジンDIGIC6の組み合わせによるデジタル一眼と同等の高い画質。撮りやすさも、撮った画も、そのどちらも妥協しないというメーカーの心意気が感じられる出来映えなのです。これはもう、メイン機として使ってください、ということでしょう。まずは作例をご覧いただき、その実力を体感してください。
( Photography & Text : T.Nakanishi )
ギラギラとした夏の光が降り注ぐシチュエーション。ハイコントラストで緻密な被写体をどのように描いてくれるのかと狙ったカットです。結果は言わずもがな。ディテール表現も見事で、画のキレも十分な仕上がりです。
逆光に輝く睡蓮の葉と花を、少し絞り込んで狙ってみました。反射で光る葉が飛ばずに描けていることにも驚きますが、透過光で浮かび上がる睡蓮の花の描写も素晴らしいですね。広いダイナミックレンジを持ちつつ、メリハリのある描写には本当に感心します。
カメラとしての実力がハイレベルなので、こういったシャープな被写体はお手のもの。ハイライトからシャドーに至るまで、キレ味鋭く描いています。このようなシチュエーションでは積極的な露出のコントロールも必要になってきますが、今回新設された露出補正ダイヤルは、より直感的な操作を可能としてくれ、カッコいい露出を探る楽しみを感じさせてくれました。また、こんなシーンはチルト式モニターの有り難さを実感しますね。苦しい体勢で見上げなくても、ちょこっとお辞儀をするようにモニターを覗き込めば空を見上げたアングルも自由自在です。
コンパクトなボディは食事の時にも役立ちます。大きな一眼を持ち出すこともなく、ササッと手軽に美しい写真で記録出来ますね。
雨に濡れた葉っぱを、露出アンダーで撮影。こんなシーンは、少し露出を切り詰めてあげると、被写体をよりリアルに描くことが出来ます。そしてこのカットもチルト式モニターを動かし、手を伸ばして撮影しています。こんなことが出来るのも「EOS M3」ならでは。一眼レフとは異なる、新たな視点で被写体を探してみましょう。
朝霧たなびく早朝の丘を望遠ズームを使って切り取りました。もう感覚としてはデジタル一眼そのまま。グラデーションの描き方も細やかな部分の表現も、ミラーレスだからとは言わせません。
本格的に使い込める、ミラーレスの"EOS"
デジタル一眼に「迫る」のではなく、「並んだ」ミラーレス一眼「EOS M3」。撮影を進めながら浮かんできたのがこの表現。こういってはなんですが、キヤノンが本腰を入れてミラーレスカメラを作ったな、とさえ思いました。もちろん、これまでのモデルも十二分に良いカメラではありましたが、そのコンセプトから入門機という印象は拭えなかったのも事実でしょう。しかしながら、今回のモデルはデジタル一眼と併用して使ったとしてもなんら遜色の無い仕上がり。これならば、サブ機としてではなくメイン機としても十分に使えそうです。小さめで良い画のカメラをお探しの方にはもちろん、これから本格的な写真を撮ってみたいと言う方にも是非使っていただきたいと思います。
( 2015.07.22 )
EOS Mシリーズの第三世代「M3」の登場です。これまで以上に使い勝手にこだわり、より本格的に撮影をお楽しみいただけるボディに仕上がりました。
精悍なブラックとは印象の異なるホワイトボディ。よりカジュアルにお使いいただけます。
35mmフルサイズ換算28.8-88mm相当の標準ズームレンズとのセットモデル。最初の1台の方におすすめのキットモデルです。
こちらはボディにEVFがセットとなったお買い得なボディ。
EOS M3の他、PowerShot G1X等でもお使いいただけます。
撮影に集中していたら、バッテリー切れ…なんてことのないように。備えあれば、です。