実写インプレッション[DP3 Merrill]

 

DP3M IMPRESSION | DP3M IMPRESSION [SPP5.5 MONOCHROME] | DP3M LONG-TERM REPORT 01

Merrillジェネレーションのセンサーを搭載した「75mm相当」の「DP3 Merrill」が登場。単焦点レンズを搭載するモデルで、これまで中望遠を搭載したデジタルカメラは皆無。フイルム時代に遡れば、二眼レフのテレ・ローライぐらいしか思い出せません。そんなわけで、かなりの意欲作と言えるでしょう。最近すこぶる元気のよいシグマ社だけに、「ひょっとすると中望遠を搭載した"DP"が登場するかもしれないなあ」と想像したことがあります。というのも、人それぞれだとは思いますが、広角や標準に比べて中望遠は、画面の整理がし易く、いわゆる標準ズームで撮影していても、この75mm近辺で結構撮影していませんか? このことが一つ。あともう一つは、筆者自身がスナップ撮影を50mm近辺のレンズでよく行うからです。しかし”標準”とは難しいものですよね。「普通」って難しいのです。これが広角だったり超望遠だったりすると、そもそも肉眼で見るものとの対比で面白くなるわけです。標準の寄り切れず引き切れず、そのどっちつかずなところが結構難儀したりします。そこで、ちょっとだけ望遠の75mm。これはスナップ撮影なんかで結構効くと思うのです。言ってみれば、標準でフレームを決めてからの「あと2歩」を最初から詰めてくれる感覚でしょうか。ココに引っかかる方、ちょっとオススメのカメラですよ。

( 写真/文:K )

基本的にDP1M/DP2Mとカメラ部分は変わりません。従って、その描写力は既に実証済みですよね。相変わらず佳いです。詳しい話は伺っていませんが、レンズも例のFoveonセンサーを搭載したMTF測定器で性能を煮詰められたと思われます。シグマに搭載されているセンサーは大変レンズに厳しいものです。抜群の写りである反面、色収差等も呆れるぐらいハッキリ写し込んでしまうのです。結果、諸収差が出やすい絞り開放などで色収差が目立つことがあります。写り過ぎるが故の悩みですが、DP3Mでは全く気になりませんでした。開放から文句のつけようが無いシャープさに加え、焦点距離と開放F値からの大きなボケ、さらに情緒の感じられるボケ味と、満足な写りでした。



髪の毛1本1本の自然な描写力・シャープさもさることながら、ボケ味も丸みがあり素晴らしいの一言。中望遠ということで、開放時の色収差については少し心配していました。一般的なセンサーなら全く問題無いのでしょうけれど、何せ残酷なFoveonセンサーです。しかし杞憂でした。

1画素が1ピクセルに直結するが故の素直なライン、シャープさ。この素性があってこそ、ヘイズの多い朝方のタイ・バンコクの空気を再現できます。モヤっとした景色にこそ、根源的な描写力の高さが問われるのだろうと思います。

メタル物を撮ると相変わらずの素晴らしさ。エッジラインがシャープに切れてこその写りです。また再現が難しい色ですが、実にリアルです。少し色再現は渋めなのですが。しかし、ヌケ・キレ・色乗りと文句なしです。

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実はかなりの強行スケジュールでタイまで行ってきました。ロケ地に選んだ理由は、グシャっとコンプレッションのかかった景色が、かえって中望遠に向いてると感じたからです。そう感じた理由は幾つかあるのですが。DP3Mに興味を持たれる方は、50mm近辺でのスナップ撮影を愉しまれる方が多いのではないかと思います。まずは、50mmから少し覗き込んだような印象を作りやすい中望遠の面白さについて作例を並べてみたいと思います。

 

50mmと90mmのちょうど中間ですが、90mmほど望遠らしさは無いものの、やはり切り取り感は増します。日頃50mmレンズで撮り歩いていると、なかなか新鮮ですよ。





しかし、呆れるほどよく写ります。50mmあたりだと多分銅像にピントを置くかなあ。恐らくフレームも変わると思いますが。

川沿いで提灯をつるす男性。なかなかファンキーな出で立ち。足下は直ぐに欄干、左右は木立という状況ですが、50mmぐらいの距離感で構えても画面整理がし易いのですね。少々の緩さは犠牲にしてもシャッタータイミング最優先の筆者にとっては、これが実にありがたいのです(笑)

人間の目というのは実によくできていまして・・・瞬時に超望遠で覗いたかのような凝視もできてしまいます。縦位置に構えれば、そんな咄嗟のフレームもある程度カバーしてくれるのですね。

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なんだか偉そうなキャッチですが、つまりこういうことです。切り取り感が強まれば、被写体がより強調され、かつ単純化します。超望遠で切り取った画は時が止まったように見えやすいと思いますが(実際に瞬間像ですので止まってますが)、さほど望遠では無い75mmだとそこに動きも感じられます。なんというか、残像的な印象を作りやすいと思うのです。そこに時を感じるのではないかという、極めて個人的な見解なのですが。もうひとつ個人的な見解を。いわゆる標準レンズの画角とは注視と表現するに至らない見つめ方に見合うものではないかと思います。これが注視に至ると丁度75mmぐらいの画角に相当するのでは無いかと思うのです。その周りも視認しているのですが。この視認された外枠を連想させるような画を75mmは作ってくれるのではないかと思います。・・・書けば書くほどドツボにハマりそうなので、ともかく作例を並べてみたいと思います。









 




 






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いかがでしたでしょうか。筆者はDP1M/DP2Mとテストしてきて、このDP3Mが最も取っつき易いカメラだと感じました。最短が28cmと結構短く、画角もDP1M/DP2Mより狭いため、ちょっとした寄りの撮影も楽しいのです。切り詰めた静かな画から、今回の作例のように街を覗き込むような動きのあるスナップ、風景撮影なんかも実は望遠側のレンズを多用するため向いてるのではないかと思います。

さて、そう時間をおかずに2ndレビューをお届けする予定です。次回はSIGMA Photo Proに実装される予定の、モノクロームモードの検証を兼ねて、モノクロ1本でお届けしたいと思います。お楽しみに! ※モノクロームバージョンのインプレッション追加いたしました(2013.02.14)

 

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まだシグマのカメラを体験されていない皆さんに、一番最初におすすめしたいカメラです。

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フードをつけた姿もなかなか。もちろん有害光を遮光する本来の役割も。

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少し電池の持ちが悪い印象です。そのため本体を購入すると最初から2本のバッテリーが付属しますが、バッテリーはリーズナブルです! さらにお買い求めの方へ。

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