Carl Zeiss Planar T* 135mm F2 + KIPON C/Y-N/Z + Z 7
コンタックス60周年記念モデルとして発売されたPlanarで印象に残っているのは、がっぷりツァイスで紹介されたPlanar 55mm F1.2、Planar 85mm F1.2。この2本は憧れの存在として皆さんもご存知ではないでしょうか。この原稿を書こうと調べていて初めて知ったのですが、ここで紹介するCarl Zeiss Planar T* 135mm F2も栄えある60周年記念モデル3本の一角を占めていたのです（勉強不足ですね）。そう聞くと一気にレンズの価値が上がったようでな気がしてしまう、、、レンズオタクはどうしようもありませんね（笑）。
1975年RTS発売と同時にラインナップされたこのレンズはすぐにラインナップから消え、「レンズ本来の味を出すには撮影条件を選ぶから売れなかったんだな」と思っていたら、1992年に60周年記念モデルとして限定発売されました。5群5枚とレンズに貼り合わせがない設計がもたらすクリアーな写り、Planarで一番の望遠という実は稀少性が高かったことがわかったんでしょうね。その描写は、順光ではクリアーで色もナチュラル。自然すぎてオールドレンズファンは若干物足りなさを感じるぐらいです。そして、逆光には弱く一枚ベールをかぶったような描写になります。ただ一枚目の桜の写真を見ると、全体にベールがかかったように見えますが、ピントピークの花びらはクリアーで立体感があり、浮き出してるように見えます。この不思議な描写が、レンズ枚数が少なく貼り合わせが全くないレンズ設計の妙ではないでしょうか。55/1.2、85/1.2は手に入れることができないぐらい高嶺の花ですが、135/2であれば60周年記念モデルを所有することは可能ですね。（A.Inden）
( 2019.04.17 )
