LEICA SUMMILUX-M f1.4/50mm ASPH. + SHOTEN LM-NZ + Z 6
2004年発売。3世代目にあたりますが、いまだにアップデートの必要性を感じさせない、比類なき性能を発揮してくれます。50mmレンズのマイルストーンでしょうか。距離を問わずピント部は鋭く立ち上がり、それでいてアウトフォーカスはストンとスムーズにボケますが、かといってボケが軽くなることはなく、漂う空気の質量すら感じさせてくれる濃密な味付けです。全くの個人的見解ですが、このレンズの登場以降、開放から当然のようにシャープなレンズが増えたように思います。メインの被写体がどこにあろうが、簡単に視線誘導が出来る、飛び道具のようなレンズです。お値段がお値段なので購入には勢いが必要ですが、ピントピークがアウトフォーカスから分離するさまを、二枚の絵を張り合わせたように異なる被写界深度が一枚の画に同居するさまを味わえば、罪悪感は物の見事に消失します。ただし、意外にも逆光にはそれほど強くはない印象で、特に斜めから太陽光が入るとかなり盛大にフレアやゴーストが出ることも。私は好きで結構利用するのですが。色再現やコントラストも現代的なライカの「それ」で、軽率さとは無縁の、シリアスで深みのある仕上がりです。他のライカレンズ同様Zとも息がピッタリ合うようで、アガリを見て「あれっ？」と感じることが一切ありませんでした。（TAK）
( 2019.03.20 )
